『到達のアクタ』漫画家・信楽優楽、約200万円をかけたXブースト検証の全貌 個人クリエイターはどこまで自力で販促できる?
Xのブースト機能に約200万円を投入し、1巻発売に合わせて前代未聞のプロモーションを実施した漫画家・信楽優楽。ヤンマガWeb連載中の『到達のアクタ』を対象としたこの試みは、個人クリエイターがSNSでどこまで自力で販促できるのかを可視化する、異例の検証となった。
漫画一巻発売時の1話ポストにブースト機能で約200万円注ぎ込みXのアルゴリズム、ツリー投稿リンク先のAmazon売れ筋ランキングがどう変化したかなどを検証したレポ(1/4) pic.twitter.com/BGmBL7esxo
— 信楽優楽9/7コミティアj01a (@sigaraki777) July 13, 2025
投入額は1件最大8万円、総額で楽天カードの限度額ギリギリまで利用し、複数回にわたって投稿をブースト。時間帯、曜日、内容、課金額などの条件を変えながら投稿を繰り返し、拡散と反応の相関関係を詳細に記録した。中でもインプレッション最大値を記録したのは、第1話漫画のツリーポスト。8万円を投じて1087万インプレッション、エンゲージメント21万、詳細クリック13万を達成し、X上で“無理矢理バズる”状態を実現した。
だが、期待されたような“売上”には直結しなかったという。Amazonの売れ筋ランキングは、ブースト前の1052位から877位へと175位上昇したが、信楽はこの点についても冷静に分析しており「アマゾンが売れるタイミングであえてやった」「それでもこの程度の変化」と、数字の限界を記している。
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また、ブースト効果には明確な“賞味期限”があることも報告された。投稿後5分以内から効果が出始め、30分を過ぎると一気に失速。さらにブーストが伸びるのは「時間帯」に大きく左右されると分析しており、投稿後5分でインプレッションが急増し、30分を超えると効果が激減。深夜や日本人のアクティブ層が少ない時間帯では伸び悩む傾向も見られた。信楽は「毎日同額で検証し、投稿時間を変えて比較」するなど、緻密な観察を行い、その結果をすべて公開している。
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一方、TikTokでのプロモーションでは、より少ない費用で明確な効果が得られた。Webサイト訪問増加を目的に、動画に14,040円を投入し、Amazonリンクのクリックは915件を記録。クリック1回あたり15.3円という費用対効果は、Xブーストを大きく上回った。年齢層としては10〜20代が半数以上を占め、TikTokの特性が作品の潜在読者層と噛み合った形となった。
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今回の検証では、SNSにおける“届く”という状態が、必ずしも“買われる”に直結しないことが明らかになった。同時に、媒体ごとの特性や課金手法によって、その“届き方”にも質的な差異が生まれることも自らの財布を代償に明らかにした。
しかし今回、検証そのものをまとめた信楽の分析投稿が大きな反響を呼び、作品とは別のかたちで多くの読者に届いたこともまた、見逃せない成果だった。得られた知見を惜しみなく共有したその投稿は“実験の報告”としてX上で広く拡散され、コメント欄には「これを読んで買った」「応援したくなった」といった声も相次いでいた。
インプレッションがやたら多い到達のアクタ第一話投稿見てね↓ https://t.co/7etpznQeqY
— 信楽優楽9/7コミティアj01a (@sigaraki777) July 13, 2025
あと細かいので省いた特徴
X のアナリティクス%表示は結構雑で、違う数値の事が多いです。1話もブーストかける前に1000❤️くらいまではいけてたので、100%になってるのは変。またTikTok前後半分けて投稿すると何故か後半の方がやたら再生数が伸びる特徴なんかもありました‼︎…— 信楽優楽9/7コミティアj01a (@sigaraki777) July 13, 2025






















