【漫画】つい他人と比較してしまう“心の中”を可視化すると? 自己を見つめ直すきっかけをくれる『自分ミュージアムへようこそ』

【漫画】人の“心の中”を可視化すると?


ーー人の心を展示する博物館という設定はどのように考えたモノですか?

あきばさやか:私は漫画を描くなかで、自分の好きなモノから着想を得ることが多いんです。博物館もすごく好きで、本作の設定を出版社の担当編集さんに提案したら面白いと言っていただけました。

ーー本ストーリーの題材を他人との比較にした理由は?

あきばさやか:よく博物館って、比較展示があるじゃないですか。肉食動物と草食動物の腸の長さはこんなに違うみたいな。その比較展示を、人間の心でできたら面白いかなと思ったのがきっかけです。

 また私自身、SNSを見ているときに息を止めて溺れるような感覚になることがあるんです。どうしても他人と比べてしまって、息苦しくなってしまう方も多いと思います。そこで他人と比べる息苦しさに苦しむ主人公を描きたいと思って、ストーリーを考えました。

ーーXでも、共感するコメントが寄せられていました。作品を通して伝えたいメッセージはありますか?

あきばさやか:「みんなこうしようよ!」みたいな強いメッセージはないんですけど、もし自分に「自分ミュージアム」があったらどうなるかを考えるきっかけになったらいいなと思います。

 また、将来「自分ミュージアム」ができたとき、どんな内容になっていたいかを想像してもらえたら嬉しいです。

ーー本ストーリーのなかで気に入っているポイントは?

あきばさやか:作中にドット絵風のコマがあるんですけど、そこは描くのが大変だったので思い入れがありますね。あとはメインキャラクターの2人のビジュアルが正反対になるよう意識していて、上手く表現できたかなと思っています。

ーー人の心情を描写するうえで気をつけていることはありますか?

あきばさやか:作品の設定的に、お説教っぽくならないように気をつけています。「自分ミュージアム」の学芸員は少し背中を押す程度で、基本的には悩んでいる人が自分自身で気づき前に進む内容にしたいなと思っていますね。

ーー漫画を描き始めたきっかけは?

あきばさやか:小さい頃から漫画を読むのが好きで、絵を描くのも好きでした。特に「週刊少年ジャンプ」が好きだったので、中学生のときに少年漫画を描いて「ジャンプ」に応募しようとしたこともあります。でも結局描きあげられず、そのまま就職するまで絵からは離れていました。

 しかし広告代理店の営業として働き始めて5年くらいで、「やっぱり絵の仕事がしたい!」と思ったんです。その後は広告のイラストや実用書のイラストなどを描くイラストレーターとして活動を続けて、最近になって創作漫画も描き始めました。

ーー最後に、今後はどのような漫画を描きたいですか?

あきばさやか:読んでくれた方の背中を少しでも押せるような、明るい作品を描いていきたいです。

 『自分ミュージアムへようこそ』も、人の背中を押せる作品になればいいなと思いながら描いています。現在単行本も発売されているので、気になっていただけた方はぜひ手に取ってもらえると嬉しいです。

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