SUPER EIGHT 村上信五、“大人アイドル像”をどう変えていく? 『半分論』から思考を読み解く

村上信五『半分論』から読み解く思考

バイタリティの秘密を紐解いた『半分論』

 「『何を目指しているんですか?』という質問を受けることが非常に多くなりました」とは、今年4月に村上が発表した初の書籍『半分論』のあとがきに綴られた一節だ。その問いに、村上は「今はただの空想家とでも申しておくのが良いかなと思っております(笑)」と答えている。

 そして「このまま空想だけで終わる馬鹿な男になる可能性も大いに含みながらも、私は誰もした事がない夢を追い求めたいだけではなく、素晴らしい先人や現存するあらゆるものから学び、形になっていない物事をより良い形にしてみたいだけの空想論者です」とも。たしかに、毎日更新されていく「AIシンゴ」のショート動画のサムネたちを見て、「世界がいつもこんなハッピーニュースでいっぱいになればいいのに」という願いのようなものが伝わってきた。そして願うだけでなく、それに近づけるために村上は「やる」を選択したのだ。

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 「出来るかどうかはやってみなければ分かりませんし、そもそも空想が出てこないと何の実践も出来ませんので」と続く言葉に、改めてなぜ村上がこれほどの活躍の幅を広げてきたのかを垣間見た。

 本気で世界をハッピーにしようと、一歩一歩積み重ねている。だから『半分論』も、村上が「こうして成功した」といった上から目線の教えではなく、「こう考えてみたらどうだろうか」という読者への提案になっているのだろう。1人ひとりが、もっとやりたいことに動き出せるように。その結果、世界がより良い方向へと変わっていってくれたら、と。

 『半分論』の入り口は、いたってシンプル。例えば今、目の前のことを「やる」か「やらない」のか、と2択で決める。どこから手をつけたらいいかわからないというときに、「これなら決められる」というところまで細かくして考えることで、なるべく動き出す負荷を減らし「面倒くさいオバケ」に負けない癖をつけるところから始めるのだ。

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