【漫画】お台場でも豊洲市場でもない、ゆりかもめ沿線のレジャースポットは? ガイド本のようなSNS漫画が面白い

【漫画】ゆりかもめ沿線のおすすめは?

もともとはラジオ

――今回『コミティアの後は竹芝・日の出・芝浦ふ頭に行こう!』を制作した経緯は?

宵町:漫画家デビューした2013年ごろ、漫画制作に疲れてたまたま竹芝を散歩したことがきっかけで埠頭が好きになり、何度も通うようになりました。埠頭について語るYouTubeラジオもやっていたのですが、あまり広まらず、あるとき「ラジオの内容をそのまま漫画にしたら良いのでは?」と思いついたんです。

――もともとはラジオ内でのトークがベースにあったのですね。

宵町:はい。2024年5月に前作となる『コミティアの後は青海ふ頭に行こう!』を同人誌として発表したところ、想像以上の反響があり、実際に埠頭に行ってくれた人もいて。「これは続編を作ろう」と思い、本作を制作しました。

――本作の制作にあたり、ロケハンも行ったそうですね。

宵町:そうですね。もともと自分自身が何度も歩いていたコースがあったので、「そのコース通りに紹介しよう」と思いました。描きたい場所や伝えたいことは脳内でまとまっていたのですが、情報の正確さを確認するために改めてロケハンを行いました。

――ガイドマップのようでありながら、漫画としても楽しめる内容でした。情報と面白さのバランスはどのように意識されましたか?

宵町:ガイドブックではなく漫画なので、情報をしっかり伝えつつ、キャラクター(私)の表情や動きは漫画らしく、ちょっと笑える親しみやすい表現になるようにユーモアを盛り気味に描いています。情報や風景がリアルな分、人物で漫画らしさを出してバランスを取っています。

おすすめのスポットは?

――景色を描く際の注意点などがあれば教えてください。

宵町:「心が疲れたときに行きたい」と思えるような、広く明るく開放的な印象を意識しています。また、音からもゆりかもめや埠頭らしさを感じてもらえるよう、環境音や電車のアナウンスなどを書き文字で多く入れています。

――風景のアングルはどのように決めましたか?

宵町:スケール感が伝わるように意識しています。例えば、竹芝の2階デッキでは広さを表現するためにパノラマ写真を撮影し、見開きで使っています。日の出埠頭倉庫群は、キャラとの比較で倉庫の大きさを見せています。

――風景や背景の作画について気をつけたことはありますか?

宵町:背景は自分で撮ってきた写真をCLIP STUDIO PAINTで線画抽出して使っています。ただ、抽出したままだと見づらいので、手描きで線を加筆したり、斜線を増やしたり、トーンを貼ったりして漫画らしく仕上げています。空も写真ではなく、漫画用の空トーンを貼って漫画らしさを出しました。

――特に立ち寄ってほしいおすすめスポットはありますか?

宵町:私が初めて来たときに感動した竹芝桟橋の2階デッキからの風景です。作中では「竹芝大パノラマ」と表現していますが、ぜひ見てほしいです。ベンチに座ってゆっくり船を眺めたり、目を閉じて波や船の音を聴いたりするのがおすすめです。

――今回はゆりかもめ沿線でしたが、今後漫画にしてみたい沿線はありますか?

宵町:東京モノレール沿線ですね。以前、東京モノレールから見える車窓風景の魅力について語るYouTubeラジオを撮ったことがあり、それを漫画にしてみたいと思っています。

――最後に、今後の漫画制作についての展望を教えてください。

宵町:埠頭や水辺の好きな場所を紹介する漫画は、もっと描いていきたいです。神奈川や愛知など、東京以外の埠頭にも進出できたらと思っています。“埠頭に特化した漫画を描いている漫画家”は他にあまりいないと思うので、「埠頭漫画の人」としてラジオ出演できたら嬉しいですね。

◼︎宵町めめ
Xアカウント:https://x.com/kurayamiyokocyo
『コミティアの後は竹芝・日の出・芝浦ふ頭に行こう!』:https://kurayamiyokocyo.booth.pm/items/7030916
『コミティアの後は青海ふ頭に行こう!』:https://kurayamiyokocyo.booth.pm/items/5783421

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