【漫画】イケメンに言われた「えらそう」の真意とは? 意味がわかると面白いキャンパスドラマ『早とちりがきっかけ』

ーー「ばどたの」などのローカルな固有名詞、講義などで対人関係に苦労したりなど、リアルな大学生活から懐かしさを覚えた作品でした。
鮎美:教室や食堂の風景など、本作は大学生活を思い出しながら描きました。大学の風景は母校をイメージしながら描いたのですが、私の通っていた大学はちかくにカフェがなく、作中でフラペチーノを飲んでいた友人は「カフェが併設された大学は羨ましい」と思いながら描いています。
講義中に香苗や雅人が座る席は常に後ろの方にしていました。いつも後ろの席に座る子、前の方に座る子など、指定されているわけでもないのに定位置が決まっている人がいたなぁと思い出しながら、講義を受ける2人を描きました。
ーー本作を創作しようと思ったきっかけは?
鮎美:本作は担当編集さんとともに制作した、漫画賞に応募するための作品です。読み手の気持ちを考えるなか、大学生活を体験している人は共感できる、大学生活を体験していない人は「大学生ってこんな日々を過ごしているんだな」と思ってもらえるように制作しました。
ーー大学生活とともに「えらそう」といった方言を題材として選んだ理由は?
鮎美:リアルさがありつつも「ふふっ」と笑えるような大学生活を描きたいと考え、周りから「ちょっと変わってるよね」と言われるような男の子と、その子のことが気になる女の子を描こうと思いました。大学は出身地の異なる人が集まりやすく、方言がきっかけで盛り上がったり、行き違いがあったりしたことを振り返るなか、方言を題材にしたお話ができ上がりました。
男の子と女の子が小さなきっかけで一気に距離が縮まるーー。そんなハッピーエンドになるお話が描きたいと思っていました。
ーー雅人は友だちになりたいと思ってしまうほど、素直な好青年だと感じました。
鮎美:男の子のキャラクターを考えるなか、優しくてかっこいい男の子を描きたいと思っていました。お話が進んでいくなか、雅人の良い性格がどんどん見えてくるように物語を考えました。
また雅人はひょうひょうとしていて、気取らない性格のキャラクターであってほしいと思いながら描きました。とくに作品の最後にはかっこいい雅人の顔を大きく描きたいと考えていましたね。最後に雅人が笑うシーンは力を入れて描きました。このシーンはSNSのフォロワーさんにも「かっこよかった」と言ってもらえて嬉しかったです。
また主人公の香苗は表情がコロコロと変わるキャラクターなので、描いていて楽しかったです。
ーー最後のぺージ、香苗の不貞腐れた表情から、2人の距離が縮まっていることを感じました。
鮎美:ここでは香苗の絶妙な表情を描きたいと思っていたので、そう言ってもらえるとうれしいです。物語が終わったあとの2人を本作のつづきとして描きたいくらい、本作は楽しく描くことができました。
ーー漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
鮎美:幼い頃から「漫画家になりたい」と思っていたのですが、本格的に漫画を描きはじめたのは3年程前からです。今は同人誌を作ることもインターネット上でできてしまう時代で、漫画の勉強をすればするほど「あれをやりたい」「これもやりたい」と漫画でやりたいことがどんどんと増えていき……。そんななかSNSで漫画を投稿したり、即売会で同人誌を販売したりするようになりました。
即売会に出版社の作品持ち込みブースがあり、作品の感想を外部の人から聞きたいと思い作品を持ち込んでみました。そのあと担当編集さんがついたり、雑誌に少ないページの漫画を掲載してもらったりするなか、幼いころに思い描いた漫画家になる夢をもう1度目指したいなと思い、現在も漫画を描いています。
ーー今後の活動について教えてください。
鮎美:今は商業媒体に作品が掲載されることを目指しています。キラキラとしたハッピーエンドでなくとも、読んでいて気持ちが明るくなる、ちょっと前向きになれるようなお話を意識しながら、これからも漫画を描いていきたいです。






















