【漫画】天才テニス少年を待つ試練とは? 車いすテニスへの情熱を描く『ラブフラット』の衝撃

――Xに投稿した経緯は?
しのと:「マンガボックス」で連載が始まったので、その第1話を投稿させてもらいました。読んだ方が拡散してくれたおかげで「続きが気になる」とか「ふたりの関係がどうなるのか気になる」という感想を多くいただいています。
――制作のきっかけについて教えてください。
しのと:以前「少年ジャンプ+」に、鳥人間コンテストを取材しながら描いた『全力Bird』を掲載してもらいました。それを経て、次は前から取り組んできたテニス漫画を、自分の知らない世界を交えて描きたいと思ったんです。
最初は定時制学校のテニス部をテーマにしようと思ったのですが、小田凱人選手が活躍したこともあり「車いすテニスはどうですか?」と提案してもらって。面白そうだと思い、取材を始めたのがきっかけでした。
――実際に試合にも行かれたのですか?
しのと:そうですね。試合はもちろんですが、選手のテニストークや実際に車いすを体験させてもらったことが印象的でした。その後から本スポーツを題材にするに当たって、どんなキャラと展開にするかを編集の方と半年ほど話し合いましたね。
――タイトルの意味は?
しのと:当初はハンディキャップの差を平坦にするという意味で、テニスの打ち方のことも指す『フラット』というタイトルにしようと思っていました。でも別作品と被ってしまうので、物語にも繋がる「0」を指すテニス用語で「ラブ」を付けて『ラブフラット』としました。
――登場キャラクターにモデルがいたりしますか。
しのと:特にはいないのですが、最初から主人公はソフトテニス出身で足を切断した選手と決めていたので、同じくソフトテニス出身の荒井大輔選手や鈴木康平選手などにもお話を伺いました。
――衝撃的な1話の幕切れでした。
しのと:よく「これは引きが強すぎる」と言われました(笑)。障がいを持った方を遠い存在だと考えがちですが、描いていて「ちょっとしたきっかけで誰でも同じような境遇になり得るな」と思うんですよ。自分が健康に過ごせているのは当たり前じゃない、ということをスポーツ漫画らしい1話目で伝えられたらいいなと。
――なるほど。
しのと:あとは異世界転生ものの作品は大体トラックに轢かれて転生するじゃないですか。個人的には、そのアンチテーゼでもあるんです。リアルな話、人はそんなに簡単には死ねないので……。
――今後『ラブフラット』はどう描いていきますか。
しのと:車いすテニスの物語なのですが、テニスをしていない人が読んでも面白いと思ってもらえるような作品にしていきたいですね。そこから競技にも関心を持ってもらえたら嬉しいです。






















