【漫画】タイムスリップしてきた人たちを“おもてなし”する仕事って? 妙にリアルなSF『タイマド』が新しい

【漫画】タイマド~タイムスリッパーおもてなし窓口~

ファクトチェックの苦労

――『タイマド~タイムスリッパーおもてなし窓口~』を連載するに至った経緯を教えてください。

黒江:実は以前から「『good!アフタヌーン』で連載しないか」と話を頂いており、ネームを何度も提出したもののボツが続いていました。そこで過去作『サムライせんせい』(リブレ)を描いていた時から疑問に思っていた「実際にタイムスリッパーが現れたら行政はどうやって対応するのかな?」という疑問を作品に落とし込むことにしました。

——りん子のように俯瞰して本作を見る人もいるかもしれません。リアリティとファンタジーのバランス調整で意識したことは?

黒江:「現実世界に実在する制度や仕事内容などはなるべくリアルに寄った描き方をして、キャラクターは完全に架空のファンタジーとして描くとギャップが生まれてバランスが良いのでは?」と考えて調整しています。

—— “その時代にはあったものの現代では変化(根絶)したもの”が度々描かれていますが、制作するうえでのファクトチェックが多そう、それでいて大変そうな印象です。

黒江:お世話になっている時代考証家の先生に話を聞いたり、必要であれば専門の方に取材したりなど、なるべく嘘のない様に描いています。

――本作のメインであるりん子や蓼小路征丸はどのようにして生まれましたか?

黒江:りん子は友達に1人はいそうなごく普通の女性という設定にしています。一方、蓼小路は“明治大正の文学青年”という設定で、芥川龍之介や太宰治といった文豪の風貌を意識しました。

——いろいろな時代を生きている人が登場するため、セリフ決めもいろいろな配慮が必要になりそうですね。

黒江:疑問に思った際には先述した時代考証家の先生を始め、専門の方々に話を聞くようにしています。なるべく違和感がないように頑張っていますが、それでも読者さんから指摘をいただく際には、ありがたく受け止めていきたいです。

――ちなみに『タイマド~タイムスリッパーおもてなし窓口~』は今後どういったストーリー展開をしていきますか?

黒江:「いろいろなタイムスリッパーが現れ、りん子を始めとしたタイマドの面々が周囲のサポートを得ながら解決をしていく」という展開を描いていきます。

——また、黒江さん自身の目標を教えてください。

黒江:“現状維持”を生涯で追い求めるものと考えているため、「できるだけ長く本作を続けられたら」と思っています。応援してもらえると嬉しいです。頂けますと幸いです。

『タイマド~タイムスリッパーおもてなし窓口~』
https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000405197

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる