【漫画】親友の夢を叶えるために、少年は地獄を選んだーー熱き友情のドラマ『フレンズ』の続きが気になる
――本作の反響などはいかがですか?
富士見倫(以下、富士見):おかげさまで年齢問わずたくさんの方から「続きが読みたい!」と言っていただいています。
もともと本作は新人賞の受賞作で、その時から何度かXに上げており、1万いいね以上が付くことも3回ほどありました。皆さんに関心を持っていただけることが大変ありがたいです。
――本作の着想や制作のきっかけについて教えてください。
富士見:今まで見た映画や絵本、小説などから着想を得ました。 作中に出てくるヘルマン・ヘッセの『車輪の下』にも、大きく影響を受けています。
あとは「男性の友情とは何か?」とよく考えていたので、作品として形にしてみたいという気持ちがありました。
――制作に当たって調べたことや取材されたことなどはあります?
富士見:連載が決まったタイミングで、ボクシングジムに習いに行きました。 闘い方やボクサーの生活スタイル、考え方などを体験し、取材することで一層作品の解像度が上がった気がします。
――登場人物についてモデルにされた人はいますか。
富士見:外見的な部分で実在の俳優さんやアスリートさんをモデルにさせていただく場合もあります。しかし本作で主役のふたりはまったくオリジナルで、私の頭の中にいたふたりです。
内面的な部分は、私の感情を細分化して作っていることが多いですね。 ひとつのキャラにつき、ひとつ何か強い感情を落とし込むことでキャラの土台を作っていきます。
――制作に際して苦労されたこと、楽しめていることは?
富士見:苦労したのは、今までボクシングものを描いたことがなかったので、かなり試行錯誤しながら描いていたこと。 また初連載なので、1週間で物語を作って世に出すということの大変さを実感しています。
楽しめていることは、感情が乗るシーンが出てくる時のアクションや表情を描くことです。昔から表情を描くのが大好きだったので。
――アッパーの1枚絵のシーンはインパクトがありました。作画やキャラデザインについてはいかがでしょう?
富士見:褒めていただきありがとうございます。一枚絵や見開きは特に印象に残るシーンになってほしいと思いながら描きました。
基本的な作画に関しては手書きっぽさのある世界観が好きなので、デジタル環境で制作しつつもアナログ感が出るように心がけています。
キャラデザインについては、ぱっと見でそのキャラの性格が分かるような感じにしたいと考えていますね。
――今後『フレンズ』はどう描いていきますか。
富士見:物語がどこに着地するのか気になるとのご意見、たくさんいただきます。 今まさに物語の佳境でキャラの心情に深くフォーカスするような演出や展開を工夫して描いていますので、ご覧いただければ幸いです。
――憧れ、影響を受けた作品や作家はいますか?
富士見:CLAMP先生、冨樫義博先生、萩尾望都先生、眉月じゅん先生、五十嵐大介先生、山下和美先生が好きです(他にも影響を受けた先生はたくさんいるのですが……)。切ない感情や、奥行きのある世界観がある作品が好きです。
――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。
富士見:絵画、映画、小説、舞台などから沢山吸収して長く愛される作品を描ける作家になりたいです。
また、ラブロマンスやクライムサスペンス、SF、ファンタジーなど色々なジャンルにも挑戦してみたいですね。そのなかで、自分にしかない表現方法を磨いていけたら。