Amazonだけの販売なのに即完売で緊急重版 『アニメータースキル検定』ヒットの理由は?
■専門性の高い本でも中身次第で売れる
アニメーターの業界団体であるNAFCA(一般社団法人日本アニメフィルム文化連盟)が2024年11月9日(土)に実施する「アニメータースキル検定」の教科書が、9月16日の発売から10日でAmazonのみで2500部を完売。新たに3500部を重版すると発表された。税込で3080円と、金額だけを聞くと決してお安くはない本であるが、購入者からは「こういう本がほしかった」「この内容で3000円は安い」と賞賛の声が上がっている。
本書ではアニメーターが最初に教わる“原画トレス”や、キャラクターの口や目の動きとなる“口パク”や“目パチ”をベテランアニメーターの江山梨恵氏と福井智子氏が解説している。新人アニメーターからアニメーターを志す人、さらには中学~高校生でも理解できるようにかみ砕かれた内容だが、SNS上ではプロのアニメーターの購入報告も相次いでいる。
本書はA4サイズ。鉛筆で書き込みしやすいように紙質にこだわるなど、紙の本ならではの強みを存分に発揮している。現状、Amazonのみの専売で、一般書店やアニメショップなどには流通していない。専門性が高い本であるにもかかわらず、今までにない内容の本で、潜在的な需要がしっかりあれば売れることが示された事例といえそうだ。
NAFCAの福宮あやの事務局長は、「予想以上の反響に、一同とても喜んでいます。SNSでも現役アニメーターの方を中心に応援のコメントを多数いただいており、これから先の本の制作にも気合いが入ります。お待たせしてしまっている皆さまには申し訳ありませんが、教科書も素材集も10月4日~6日頃には再入荷予定ですので、公式の再販売をお待ちください」とコメントしている。
今後、リクエストがあれば書店への直販も計画しているとのこと。なお、アニメータースキル検定は11月9日(土)に東京、大阪、名古屋、福岡、新潟の5会場で実施予定。すべての受検者の回答をプロのアニメーター・動画監督が採点し、フィードバックを含めて受検者に返送するという。アニメーターを目指す人はもちろんだが、アニメファンや、絵を描くのが好き、という人も積極的に受検して欲しいと呼びかけている。
◼️書籍情報
タイトル:アニメータースキル検定 トレス・タップ割り検定6・5級用教科書
著者:一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟
執筆・監修:江山梨恵、福井智子
発売日:2024年9月16日
判型:A4
頁数:112ページ
定価:3,080円(税込)