コトブキツカサ × 田中みな実『教養として知っておきたい映画の世界』刊行対談 好きな映画の思い出は?

コトブキツカサ × 田中みな実が映画を語る

◼️何度も見た「ラブコメの女王」出演作

ーーお二人のおすすめの映画を知りたいです。繰り返し見てしまう映画はありますか?

コトブキ:みな実さんは今までで一番見た映画は何ですか?

田中:『Love Actually』?

ラジオでの共演もあり親交が深い2人なので、時に冗談を交えながら息の合ったトークが繰り広げられていた

コトブキ:今、ちょっとネイティブ発音。リチャード・カーティス監督の『ラブ・アクチュアリー』ですね。

田中:あと、メグ・ライアン三部作と言われている『ユー・ガット・メール』、『めぐり逢えたら』、『ニューヨークの恋人』。

コトブキ:いいですねえ。恋愛ものが好きですね。

田中:あまり世代ではないですけど。よく前田敦子ちゃんと一緒にTSUTAYAに行っていたことがあって、過去の名作がDVD1枚100円のコーナーがあるじゃないですか。それでいつもあっちゃんが、「みな実ちゃん、これ好きそう」と選んでくれて。あっちゃんのおすすめだからと思って見たら、本当に面白くて。当時のメグ・ライアンのキュートな感じがね。

コトブキ:そりゃそうよ。僕は世代でした。そばかすがたまらないですね。

田中:日本の女優さんにはいらっしゃらない感じで。かわいいですよね。自由奔放で表情がくるくる変わるのが、本当にかわいらしくて。

コトブキ:彼女は「ラブコメの女王」なんて言われた時代がありましたね。

◼️100回以上見た名シーンを解説

多層的な映画の魅力をたっぷりと語り合った2人。『教養として知っておきたい映画の世界』の楽しみがより広がるようなトークセッションになった

田中:コトブキさんは何度も見た映画はあります?

コトブキ:いっぱいあるよ、それは。

田中:50回以上見た作品はありますか?

コトブキ:50回以上、ありますね。あと全部じゃないけど、好きで何度も見まくったシーンがあります。韓国映画の『猟奇的な彼女』は何回も見たんだけど、エンディングが好きすぎて、100回以上見てます。

 すごくかいつまんで言うと、主人公の男性「キョヌ」とチョン・ジヒョン演じる「彼女」が出ている。ちゃんと見てほしいんだけど「彼女」なんですよ。つまり、チョン・ジヒョンの役名が出てこないんです。ここに深い意味がありませんか?

田中:気づかなかったです。

コトブキ:名前がないということは「誰が主人公なの?」「本物なの?」「いたの?」と。それはいろいろ考えればいいんだけど。

 途中で二人がクラブに行くときに身分証明書を見せるシーンがあるんです。そういう伏線があって、ラストでも二人が店員に身分証をブワッと見せて、そこで止まって、黒い画面になってエンディング曲『アイ・ビリーヴ』が流れるんです。

田中:ええ、かっこいい。

コトブキ:めちゃくちゃかっこよくて。僕は一時期、スマホの待ち受け画面にしてたから。

田中:黒いところ?

コトブキ:なんでだよ! 黒いところを待ち受けにしてたら、ただのズボラな奴じゃないか。

田中:どこですか?

コトブキ:だから身分証を二人が出すところ。とにかくもう100回以上、見ています。毎回、そこを見るたびに感動します。

田中:そういう素敵なシーン、鳥肌が立ちますよね。

◼️映画が総合芸術である理由

コトブキ:新刊『教養として知っておきたい映画の世界』では、映画音楽の項目もあって、『猟奇的な彼女』の『アイ・ビリーヴ』も入れました。

田中:映画って音楽もいいですよね。

コトブキ:皆さん、好きな映画があると思いますけど、大概音楽も頭に入ってません?

田中:音楽を聴くと「あ、この映画だ!」って思い出すことがありますね。

コトブキ:思い出したりするでしょう。だから映画音楽は“添え物”ではなく作品の一部、セットなんです。

 映画って唯一、総合芸術だと言われますね。でも僕は映画を作ってはいませんから、これを言うと偉そうだと指摘を受けるんですけど、それでもやっぱり、映画はマジで総合芸術なんです。もう、これが答えなんです。

 脚本、出演者の演技、音楽、照明、要はいろいろな職人の芸術が集まったものが映画なんです。もちろんそれぞれの芸術分野を僕はリスペクトしています。でも、映画はさまざまな力が集約して1本ができあがる。だから総合芸術だと言われるんですね。

イベント終了後はサイン会を開催。田中みな実氏もファンとの交流を楽しんでいた
一人ひとりの書籍に丁寧にサインをするコトブキツカサ氏

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