話題のハンモック泊、テントでは味わえない新しいキャンプスタイルが人気に? 識者に聞く魅力
■ハンモックキャンプ、なぜ人気?
今、テントを使ったキャンプスタイルではなくハンモックで宿泊するというスタイルが徐々に注目を集めている。そんなハンモック泊に注目し、魅力を伝える生粋のハンモッカーが野沢ともみ氏だ。ハンモックキャンプ未経験者に向けて、野沢氏にイチからわかりやすく解説していただいた。
ハンモックと聞いて、多くの方は、お昼寝をするときに使用する網状のハンモックを連想するかもしれません。ただそれはメキシカンハンモックと呼ばれるもので、実はナイロン製のハンモックであれば、テントと同様にキャンプのお宿になります。これは、意外と知らない人が多いのではないでしょうか?
キャンプで使えるハンモックは、テントにはないさまざまな特性を持っています。荷物はテントよりも軽量となり、設営・撤収だって数分以内に完了。地面に寝るときでは得られない浮遊感と包まれ感を味わいながら、とろけるように眠りにつくことができるのもハンモックの醍醐味です。
「ハンモックキャンプの魅力が、もっと広く、正しく、世の中に伝わってほしい」そんな想いから、このハンモックキャンプのビギナーズガイドを制作しました。
私自身、かつては重い荷物を運んで、お引越しさながらのキャンプをしていたんです。キャンプ地でのんびりと羽根を伸ばすつもりが、荷物の運搬、設営、ご飯、撤収と慌ただしく時間に追われ、あっという間に日が暮れる。その息つく暇もない状態に気疲れを感じていました。そんなとき、友人がサッとハンモックを張って、悠々自適に寝転がりながらキャンプをしていたのを目の当たりにし、目から鱗が落ちたんです。
ゆらゆら揺れながら、ハンモックに腰かけてご飯を食べたり、寝転がって上から吊るしたスマホで動画を観たり、星空を鑑賞しながらぐっすりと眠ったり……ハンモックから一歩も動かなくても、キャンプの楽しいさまざまなことを叶えられるようになりました。そんな風にダラダラ過ごす自身のことを、冗談交じりに「ハンモックズ」と呼びますが、実際、ダラダラしたい派にとって、これほど理想的なお宿はないのかもしれません。
ハンモックには〝ダラダラすること〟を追求していける要素がたくさんあります。カッティングや生地で変わる寝心地、熟睡するコツ、快適に過ごすためのさまざまなカスタマイズ方法……など、実は深くて大きな世界が広がっているのです。
ハンモックを使う時に欠かせない健康的な木の選び方、木のダメージを最小限にするための方法やハンモックスタンドという木を使わない手段もあります。ハンモックに寝転がりながらダラダラ。これこそテント泊では味わえない醍醐味。ぜひハンモックライフを楽しんでもらえたら嬉しいです。
■著者プロフィール
野沢ともみ
アウトドアライター/デザイナーとして活動する傍ら、ハンモックをこよなく愛し、国内未発売ものを含むさまざまなハンモックを愛用するハンモック好き。いかに工夫してハンモックでだらだらと過ごすかを日々研究し、SNSで発信中。
■書籍概要
「日本でイチバンやさしくて詳しいハンモックキャンプの本」
定価2,200円(税込)
版元:ライスパブリッシング
https://rice-publishing.studio.site
全国書店、オンライン書店で注文可能