キャンプ、トレンドは“軽量化” クルマがなくてもできる“手軽”なスタイルが増加中

■軽量装備のキャンプが流行の兆し

自転車一つあれば宿泊可能なキャンプスタイルを楽しむ人が増殖中。

 
 キャンプギアを軽量化して自由な旅を楽しむ──。昨今、ソロキャンパーを中心に軽量重視のキャンプスタイルにシフトチェンジする人が増えている。

  理由は人それぞれだ。キャンプを始めた頃は家族と一緒に楽しんでいたが、お子さんが成長するなかでソロキャンプに移行し、その過程で軽量化していった人。クルマがないため、交通機関で行けるスタイルとしてバックパックひとつに収まるキャンプを選んだ人。単純に、大荷物で移動するのに疲れた人……。

  ザックひとつで行けるキャンプは、「バックパックキャンプ」と呼ばれている。メリットとしてはクルマに頼らずあらゆる交通手段が使えることだ。オートキャンプはポピュラーなスタイルだが、必ずしも皆がクルマを持っているとは限らないし、クルマを長距離運転するのが苦手なキャンパーだっている。もっといえば、クルマで移動できる距離は限られていて、たとえば東京都内から沖縄のキャンプ場にクルマでいこうと思っても現実的にはかなりハードルは高い。

キャンプ道具を軽量化した自由な旅を推奨しているCAMPたかにぃだ。

  その点、バックパックキャンプなら、電車や飛行機、自転車すべての交通手段が使える。ヒッチハイクしながらの移動、現地でのレンタカーだって選択肢は自由。そんな、「バックパックひとつでいくキャンプ=旅」を提唱しているのが、アウトドアメディア「minimalize gears」を運営し、キャンプ道具を軽量化した自由な旅を推奨しているCAMPたかにぃだ。

  ロードバイクに跨り、自宅から嵐山渓谷のキャンプ場までの自転車キャンプをしたことがきかっけで、軽量キャンプの魅力にハマったというたかにぃ。50Lのバックパックを背負い腰が痛くなりながらも、片道5時間かけて目的地まで疾走。そのキャンプが何と楽しくて「旅のあるキャンプは、こんなにも楽しいのか」と目から鱗が落ちた。やがてさらなる軽量化を求めて、ULスタイルに辿り着くのに時間はかからなかったようだ。

  ULとはウルトラライトを意味する。アメリカのロングトレイルハイカーたちが生み出した極限まで軽量に特化したギアがルーツであり、そんなULギアをキャンプに活用しているのがULキャンプ。

  寝具、クックウエア、テント、照明などのさまざまなギアにULなブランドを取り入れ、それらを収納するバックパックもUL仕様。登山やハイクなら1gでも軽量化を図るために必要最低限の道具だけに削っていくところだが、とはいえキャンプの場合は、楽しめなくては意味がない。厳しい環境に挑むのでないのなら、軽量+快適さを高めてくれるギアだって持っていくことができる。ここが本来のULとは少し異なる部分かもしれない。

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