『君がまた描きだす線』『悪魔二世』『Void: No. Nine』 漫画ライター・ちゃんめい厳選!7月のおすすめ新刊漫画

『君がまた描きだす線』『悪魔二世』『Void: No. Nine』 漫画ライター・ちゃんめい厳選!7月のおすすめ新刊漫画

『Void: No. Nine -9番目のウツロ‐』シマ・シンヤ

Void: No. Nine -9番目のウツロ‐
 アーティスティックな筆致と巧みなストーリーテリングによって、読み手をものすごい力で牽引する。そんな圧倒的パワーを放つ作品。

 物語の舞台は世界が滅んで300年経った世界。そこでは、「旧世界の遺物」を採掘するために地下に潜るという、闇バイトが横行している。地下では仲間からの裏切りはもちろん、旧世界の使者と呼ばれる化け物と遭遇して命を落とすことも.......。そんな命懸けの闇バイトに、高額報酬のため、社会システムの闇を暴くため、さまざまな思惑を込めて集いし労働者たちの群像劇を描く。

 主人公1人だけではなく、地下に潜る3チーム(1チーム3人)の目線で地下の世界が描かれるため、まるでゲームをプレイしているかのようにこの世界に張り巡らせたギミックを解いていくような......。ページをめくるごとに、この闇バイト、いやこの世界の“本当”に近づいていく感覚がたまらない。

 バックグラウンドはもちろん、バックボーンも異なる彼らは地下から生き残れるのか。そして、生き残れたとしてそこに光はあるのか。1、2巻が同時刊行されたばかりだが、早くも3巻が待ち遠しい作品だ。

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