【注目作試し読み】LINEマンガの新連載がwebtoon業界を席巻? 王道のバトルファンタジー『頂点捕食者』が熱すぎる
『頂点捕食者』作者・おおみね先生インタビュー
ーーまず、本作を連載されるに至るまでのキャリアについて聞かせてください。
おおみね:横読み漫画の漫画家を6年ほどしており、現在も集英社さんで『失業賢者の成り上がり』を連載中です(14巻110万部)。新しいことが好きなので、縦読み漫画にも挑戦したいと思い、STUDIO ZOONさんにお声がけしました。
ーー『頂点捕食者』は異能バトル&ファンタジーが好きな読者にはたまらない作品で、リアルな社会と異界の交錯、主人公のリベンジ的要素も含め、第1話から没入してしまう仕掛けに満ちていますね。
おおみね:主人公やあらすじは、横読み漫画の企画としてもともと考えていた10本くらいのアイデアの中から、一番面白いと思うものを縦読み漫画用に作り変えました。怪獣が宇宙からやってくるという設定は縦読み漫画の縦長の画面を生かせるようにとにかく大きい敵を出す、と考えて作りました。
ーー主人公のグイがとても魅力的です。無能力者でいじめを受けている……という過酷な状況にありながら、明るさと勇気、善意を失わず、「行動」で自分の価値を示すヒーロー。そんなグイというキャラクターは、どのように生まれたのでしょうか。
おおみね:元々は「俺だって能力が欲しかった…!」と悔しがっているキャラでした。ただ、打合せで「後ろ向きな主人公はあまり見たくないよね」という話になり、今のような「能力はないけど、自分にできることをやる!」というキャラになっていきました。
ーー物語の冒頭から活躍するキャラクターでいうと、氷結系のクールな能力と、内に持つ優しさのギャップも素敵なオリネも魅力的です。少なくとも序盤においてはヒロインと言える存在ですが、どのように造形されたのでしょうか。
おおみね:オリネはもともと最初の登場シーンのようにクールなキャラとして描いていました。話を描き進めていくと、主人公グイの無茶な行動に引っ張られて、ツッコミ役のような位置づけになり、どんどん人間味が出てきた印象です。もう一人の主人公と思っています。
ーー有機的でデジタル感もある「イーバ」のフォルムにも心惹かれます。
おおみね:頂点捕食者は宇宙がテーマにあるので、地球にいる生物と少し違った感じを出るように意識しています。また、縦読み漫画ということで色が表現できるので、光の筋を必ず入れるようにして種族の共通点を出しています。
ーー縦スクロール&フルカラーのwebtoonが持つ特性が活かされたバトルシーンも見応えがあります。迫力とスピード感があり、また複雑な構図になりすぎず直感的に楽しめる作画ですね。
おおみね:わかりやすさが第一です。ここは横読み漫画の経験が生きています。縦読み漫画はキャラの位置関係を入れないものが多いのですが、読者が混乱しないように意識的に入れています。一方で縦読み漫画特有の没入感が損なわれないようにバランスに注意しています。
ーーそもそもグイの明るいキャラクターによるところも大きいかもしれませんが、特に能力の覚醒後はコメディパートも楽しく、壮絶なバトルやエリートの横暴など、読者にもストレスがかかる強い描写がありながら、読み疲れせずに楽しめるのも本作の大きな魅力だと思います。
おおみね:私はコメディ漫画やちょこちょことした可愛いキャラがすごく好きなので、それが自然と出ていると思います。また、ずっとバトルが続くと読者に負荷がかかるので、息抜きとしてコメディ部分は意識的に入れるようにしています。
ーー「頂点捕食者(ブラックホール)」は、底の見えない強さとロマンのある能力です。この能力がどう活かされていくか、ネタバレになりすぎない範囲で、今後の注目ポイントを教えてください。
おおみね:「頂点捕食者」は非常に強力な能力ですが、それをグイが制御できていないのが面白いポイントです。この能力は一体何なんだろう…と作者自身も考えながら作っているので、読者の皆さんにも驚きの展開を楽しんでもらえると思います!
ーーこの記事をきっかけに『頂点捕食者』の第一話に触れた読者のみなさんにメッセージをお願いします!
おおみね:第一話をお読みいただきありがとうございます! 横読み漫画が好きな方も縦読み漫画が好きな方も楽しめる、主人公がしっかりと活躍するバトル系の作品になっていると思います! 続けて読んでもらえると嬉しいです!
『頂点捕食者』
©︎おおみね/STUDIO ZOON
作品URL:https://buff.ly/3wCU61d