【漫画】もしもシンデレラがムキムキのマッチョだったら? 予想の斜め上を行く筋肉礼賛漫画がおもしろい

赤信号わたる『全てを筋肉で解決する童話』(双葉社)

“筋肉筋肉/やっぱ筋肉だな”

 シンデレラや浦島太郎、赤ずきんなど、誰もが知るおとぎ話や昔ばなしの登場人物たちが、なぜか筋肉ムキムキで描かれる漫画『全てを筋肉で解決する童話』(双葉社)が、3月21日に刊行された。

 継母達から虐められるシンデレラ、子どもたちから虐められる浦島太郎の亀……童話のなかでは悲劇にあうキャラクターたちだが、本作ではまさしく“全てを筋肉で解決”してしまう。

 マッチョなキャラクターの奇想天外な行動と、慣れ親しんだ童話とは異なる予測できない展開から、ネットで発表されるやいなや大きな話題となった本作。作者・赤信号わたる氏によると、本作はとある出来事がきっかけとなり生まれた作品なのだという。創作のきっかけ、本作に込めた思いなどについて、話を聞いた。(編集部)

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コメディ作品でありつつも筋肉の魅力を伝えたい

ーー多様なマッチョ的キャラクターに新鮮さと親しみを感じた作品でした。「筋肉」と「童話」を組み合わせた本作の創作のきっかけを教えてください。

赤信号わたる(以下、赤信号):あるとき僕が腰を壊してしまいまして……その際に整体の先生に「腹筋を鍛えると症状が緩和する」と教えてもらいました。治療のためにトレーニングを始めてみると、筋肉っていいなと思えてきて。以前から童話を漫画の題材として描くことが好きだったので、自分の好きな2つを組み合わせたら面白い作品になるかと思い、本作を創作しました。

ーー慣れ親しんだ童話の登場人物から、いったい誰がマッチョになるかと予測する楽しみもありました。

赤信号:シンデレラやかぐや姫の帝(みかど)など、原作の童話ではマッチョではない人物を選んでいました。むしろ筋肉質ではないキャラがマッチョであることのギャップも面白いかと思い、できるだけ筋肉のイメージから遠い人物にスポットを当てています。この作品が筋肉の世界への入口になって、「自分もトレーニングすればマッチョになれるかも」と思ってもらえたら嬉しいです。

ーー「ナイスバルク」や「パンプ」など、作中では“筋肉あるある”な台詞が多く登場していました。

赤信号:本作を描くにあたって調べたものもありますが、実際に通っていたジムのトレーナーさんに聞いた言葉を参照しています。筋トレ界隈の言葉は面白いものばかりで、たとえばボディビルの大会では「腹筋板チョコ!」「腹斜筋で大根おろしたい!」という歓声が飛び交っていて……。これらの単語を調べている最中も楽しかったです(笑)。

ーーお気に入りのキャラクターを教えてください。

赤信号:1人は『かぐや姫』に登場するマッチョな帝です。その見た目やふるまいから描いているうちに面白くなってしまい、自分の想像以上にキャラが立ってしまいました。台詞は少ないのに筋肉だけで全てを解決してくれたので、本作を体現するキャラになったかと思います。

 もう1人はオオカミ少年です。本作では珍しくストレートにかっこいいキャラになったので、こちらも描いていて楽しかったです。両者ともに筋肉の魅力を伝えられるキャラになったと思います。

ーーガッチリとした帝と、スラっとしたオオカミ少年。2人は対照的なマッチョなキャラクターですね。

赤信号:筋肉質な人もこの2つのタイプに分かれると思いますね。本作の序盤は見た目のインパクトを出すためにガッチリとしたキャラが多く登場しましたが、後半では幅広い筋肉の文化や魅力を伝えられればと思いイケメンなキャラも描きました。一口にマッチョと言っても、いろんなタイプがいるんです。

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