「EXILEのライブはワンステージでフルマラソン並みのカロリー量」 EXILEフィジカルトレーナー 吉田輝幸 × スポーツドクター 二重作拓也 対談

EXILEトレーナー×格闘技ドクター対談

運動や身体というのは、一人ひとりにオリジナルなもの

ーー『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』にはそうした知見が集積されていますね。人間の身体の動きを機能的な側面から解説しています。

二重作:本書では運動における医学的背景を伝えさせていただきました。そもそも運動や身体というのは、一人ひとりにオリジナルなものなんです。ボールを投げるという運動も、僕がやるのと吉田トレーナーがやるのとでは全く違います。筋肉の使い方も違うし、脳での運動イメージの作り方も違う。そもそも道具となる身体が違う。だから運動は共有しようがなく、個人のものでしかないんですね。

ーー運動は共有できない。

二重作:そうなんです。ですからパフォーマンス医学がトライしているのは「このメニューをやると何がどう変わるか」ということをそれぞれが「身体に問うて、身体に訊く」みたいなことです。例えば、上からこぶしを落とす時に、自分の手の実際の大きさを超えて、「より長くて太い腕が落ちていく運動イメージ」に変えると、音の鳴り方も変わるし、パワーも出る、といったような基本の例題を読者に体験していただき、そこからそれぞれの応用につなげてもらうような。

 身体も運動は共有できないけど、人体に共通する機能やシステムなどの医学的背景は共有できる。その上で実感しやすいメニューを試してみる。それで個人のパフォーマンスが向上すれば、それはそれでひとつの正解かな、と思います。

吉田:同じ動きであっても個体差があるのはおっしゃる通りです。その人にとっての動きの特徴があって、そのコツを教えるのは難しい。僕らができることはそのヒントやトリガーを伝えていくということですよね。そこから本人たちの感覚や特徴に合わせて、うまくつなげてくれる。この本にはそのヒントがたくさん詰まっているので、それを多くの方に伝えていくことは非常に重要なことだと思います。

■書籍情報
『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』
著者:二重作拓也
価格:¥1,485
発売日:2023年10月25日
出版社:星海社

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