毒キノコ中毒はなぜなくならないのか? 素人が「図鑑で調べる」だけでは防げない理由

おすすめの図鑑は子ども向けのあの一冊

出版界の実情として、図鑑のような専門性の高い本をゼロから制作することは、よほど経営体力がある出版社でないと難しい。編集には莫大な手間と時間がかかるためだ。1988年に出版された山と溪谷社の『山溪カラー名鑑 日本のきのこ』はキノコ愛好家を増やした歴史的な名著である。バブル景気のおかげで出版社側にも勢いがあったため出版できた、極めて贅沢な一冊といえる。しかし、2011年に出た増補改訂新版は、発売前は愛好家の期待も高かったが、期待以上の評価を得ることができたとは言い難いのではないだろうか。
その点、小学館はやはり大手ということもあって、手間と時間をかけて図鑑を作ることができたのであろう。『小学館の図鑑NEO きのこ DVDつき[改訂版]』は未来のキノコ愛好家を育てる意味でも、価値ある一冊になっている。
ただし、アマチュアがキノコ図鑑だけを頼りに、野山のキノコを同定し、食用とするのはNGである。本格的にキノコ狩りをやってみたいと考えているのであれば、キノコ愛好家が集う採取会や観察会などに参加し、実物を見て学ぶことが必須である。キノコは同じ種類であっても、発生条件によって色も形も異なることが多いためだ。
最近はYouTubeにもキノコ狩りの動画が多く投稿されているし、アウトドアブームの影響もあって人気が高まっているようだ。キノコ狩りで収穫したキノコを下山後に鍋にして食べるとあまりの旨さに感動するし、スーパーで売っているキノコでは味わえない体験だが、とにかく毒キノコには注意したいものだ。そして、最近は熊がとにかく凄まじく出没しており、野生動物にも気を付けたい。キノコ狩りは自然の恵みに感謝しながら、楽しく行いたいものである。
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