『明日カノ』いよいよ完結! 作者 をのひなお × 担当編集 トークイベントレポ
人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』のエピローグ後編が、本日11月10日にサイコミにて公開され、4年半に渡る連載がついに完結を迎えた。リアルサウンド ブックでは連載の完結を祝して、をのひなお先生のインタビュー記事と、8月19日に東京・新宿ロフトプラスワンにて開催された『明日カノ』トークイベントのレポートを掲載する。
トークイベントには、をのひなお先生と担当編集者の梅崎勇也氏が登壇。8月25日には大阪でも同イベントが開催され、チケットは両日とも発売開始直後に完売した。『明日、私は誰かのカノジョ』の誕生秘話や取材の裏話が聞ける、貴重なイベントとなった。
【同時公開!】をのひなお先生が最終回について語るインタビュー記事はこちら
お金が絡んだ男女のドロドロした話が描きたかった
――今回のトークショーでは、参加者の皆様から事前にいただいた質問をいくつかピックアップして、お答えいただきます。まずは「『明日カノ』はこう生まれた」。こちらのテーマでは、をの先生と担当編集・梅崎さんとの出会いから、『明日カノ』という作品が生まれるまでのお話を伺いできればと思います。をのひなお(以下、をの):私が初めて参加した「コミティア」というイベントがありまして、そのとき会場でスタッフの人だと勘違いして声かけたのが、出張編集部としていらっしゃっていた梅崎さんだったんです。で、ちょうど自分の漫画(同人誌)を持っていて。「これ読ませてください」って言うから、読んでもらったら「悪くないですね」と。後日、奥付に書いてあるメールアドレスから連絡をいただいて、一緒に漫画をつくろうという話になりました。
梅崎勇也(以下、梅崎):初めて打ち合わせをしたときに「どういう作品を描きたいんですか」と尋ねたら、先生が「お金にまつわる話」とおっしゃった。
をの:聞こえが悪い(笑)。でも、お金が絡んだ男女のドロドロした話が描きたかったんです。
梅崎:あんまり変わらないじゃないですか(笑)。レンタル彼女の話(第1話のテーマ)もそのときに出たんですよね。
をの:梅崎さんに「何なら描ける?」と聞かれたから、コミティアのときも題材にした百合(女性と女性の恋愛もの)なら描けると答えたら「百合は俺わかんないからダメ」と言われて……。そこから男女物にしようとなった。でも、ありきたりな物は世に溢れているから切り口はひねりたい。レンタル彼女になったのは、以前私が友人と写真集を制作していたときに、レンタルおじさんを借りて、おじさんにコスプレをさせて写真を撮ったことがあるという経験談を梅崎さんにお話ししたことがきっかけでした。
梅崎:ひとまずネーム1話つくってきてください、という感じでその日はお別れしたんですけど、それから3日くらいでネームがあがってきた。すごくよくて、冒頭から「これは売れるな」という感覚がありました。これでいきましょう!と、すぐ連絡しました。
をの:2回目くらいの打ち合わせの時点で、「この漫画は映像化を狙います」と言われたときに、まだデビューもしていないし、私騙されてるのかな……って。
梅崎:いえいえ、信頼です(笑)。
をの:安心しました(笑)。ちなみに『明日、私は誰かのカノジョ』というタイトルは私が考えて、「彼女」を漢字表記かカタカナ表記が迷っていたときに、梅崎さんがカタカナを推してくれました。