『北斗の拳』大原画展で名シーンの数々が目の前に! 武論尊「原哲夫の絵の凄さを改めて思いました」

『北斗の拳』大原画展レポート

 あの名シーンが目の前にひろがっている。あの名セリフがフキダシに書き込まれている。武論尊原作、原哲夫漫画の『北斗の拳』を読んだ人の脳に刻み込まれた記憶が一瞬にして蘇ってくる展覧会『北斗の拳40周年大原画展―愛をとりもどせ!!―』が、10月9日から11月9日まで、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催される。7日には内覧会が開かれて、武論尊、原哲夫、そしてファン代表としてケンドーコバヤシが来場して、『北斗の拳』の魅力を語り合った。(メイン写真:左から原哲夫、ケンドーコバヤシ、武論尊)

「あたたたたーーーっ」の生原画

 「迫力があってすごいよね」と武論尊が絵の持つ迫力を讃えれば、「作品を通して世界の人とつながれました」と原哲夫が全世界にファンを持つに至った物語の面白さを指摘する。1983年9月13日に「週刊少年ジャンプ」で連載を始めて、総発行部数が1億部に達するほど『北斗の拳』を世界的なヒット作品へと押し上げた2人にとっても、『北斗の拳』が今も特別な作品であることがうかがえた。

原哲夫

 その後、連載が進む一方でテレビアニメにもなって、国民的ともいえる人気を獲得した『北斗の拳』だが、その原画が広く一般に展示されることはなかったという。史上初にして400点もの原画が並ぶ『北斗の拳40周年大原画展』は、当時連載を読んでいた人にとっても、その後にテレビアニメを見たりメディアミックス展開に触れたりして作品を知った人にとっても、原画を目の当たりにして名シーンや名セリフの数々に見えることができる、貴重な場となっている。

武論尊

 展示は、核の炎に包まれ滅亡寸前までにいった世界をケンシロウが歩き、荒くれ者どもに捕らえられながらも北斗神拳を放って「お前はもう死んでいる」のセリフを言うところから始まって、ラオウが「わが生涯に一片の悔いなし」と言って去って行くところまでのストーリーに沿って、漫画の原稿やカラー原稿が並べられている。原稿用紙に引かれた線の1本1本に力がこもった絵を見ると、原哲夫がどれだけの思いをこめて『北斗の拳』を描いていたかが分かるだろう。

「わが人生に一片の悔いなし」の場面も目の当たりにできる

 武論尊は、「自分で書いていながら結構忘れているところがあって、見ているうちにこんなことがあったといった図式が分かってきました」と話して、昔からのファンだけでなく最近になって知った人も、それこそ『北斗の拳』を見たことがない人でも、ストーリーをたどっていける展覧会になっていることを指摘した。同時に、展示を見て「原哲夫の絵の凄さを改めて思いました」とも。連載開始時にまだ22歳だったということを思うと、当時からどれだけ天才的な漫画家だったかが分かるはずだ。

「おれの名を言ってみろ」というジャギ

 展示では、ジャギが「おれの名をいってみろ」と脅すシーンがあれば、ケンシロウが逆に「ジャギ…おれの名をいってみろ」と返すシーンもあって、さまざまな戦いを振り返っていける。北斗神拳の伝承者どうしの関係は、さらにトキとの邂逅があり、拳王ラオウとの戦いもあって幾度となく繰り返されていく。そうした流れを原画の展示やトキ、ラオウといった登場キャラクターの立像などから振り返ることができる。

トキの立像や登場シーン

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