異世界ファンタジーで“不遇な能力”の主人公といえば? アニメ『暴食のベルセルク』本日スタート

異世界ファンタジーで“不遇な能力”の主人公

 テレビアニメ『暴食のベルセルク』が10月4日深夜25:30(5日午前1:30)より、TOKYO MX、サンテレビ、BS11にて放送を開始する。

 原作は人気ライトノベル『暴食のベルセルク~俺だけレベルという概念を突破する~』(一色一凛)。神から授かる特別な力「スキル」が存在し、その優劣が人生を決める異世界を舞台にしたダークファンタジーだ。

 一見不遇なスキルや職業の主人公が、その真価を発揮して無双していくーーという、いまや大人気のジャンル(不遇スタート)のなかでも質の高い作品であり、「無能」と蔑まれてきた少年・フェイトが、《暴食》というスキルを武器にのし上がっていく姿が痛快だ。

 「暴食」は腹が減るだけの役に立たないスキルと思われているが、実は殺した対象の魂を喰らい、ステータスとスキルを奪うことができる超レアな能力だ。ダークファンタジーとしては正統派のスキルと捉えることもでき、相棒となる黒剣「グリード」とともに、主人公を劇的に強化していくのが面白い。

 百花繚乱の異世界ファンタジーのなかで、一見不遇なスキルを持った主人公は他にも少なくない。

 アニメ化作品に絞って見ていくと、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(江口連)の主人公・ムコーダが異世界に転生する際に獲得したスキルが「ネットスーパー」。現実世界で売っている商品を購入して取り寄せられる能力で、極めて便利だが「強そう」には思えないスキルだ。しかし、取り寄せた食品にはステータスアップの効果があり、また単純に中世程度の文明の中では際立った美食になるため、神獣や女神をも魅了して強力な加護を受けていく、という効果をもたらしている。

 クラスメイトたちと異世界に召喚された『ありふれた職業で世界最強』(白米良)の主人公・南雲ハジメは、周囲がチート能力(職業)を授かるなか、「錬成師」という地味な能力を手にする。もともといじめられっ子のハジメは、このいかにも戦闘向きではない能力のため「無能」と断じられ、文字通り奈落の底に落とされることに。しかし、しぶとく生き延び、大迷宮で手に入れた希少な鉱石から現代兵器に近しい武器を「錬成」するなど、手のつけられない強者になっていく。

 リベンジ系の人気作『盾の勇者の成り上がり』(アネコユサギ)の主人公・岩谷尚文(ナオフミ)は、タイトルの通り「盾の勇者」として異世界に召喚される。剣、槍、弓という花形のスキルを持つ勇者たちに比べて最初から低く見られており、特に序盤は辛く悲しいエピソードが多い。それだけに、厳しい環境で否応なく成長し、愛らしい仲間たち、そして「盾」スキルの覚醒により周囲を見返していく物語には、大きなカタルシスがある。

 人と違う能力の正しい使い方や伸ばし方を知ることで、余人をもって代えがたい人物になり、大きな成果をあげるーーというのは、現実世界にもしばしば見られること。アニメ『暴食のベルセルク』で、不遇スタートのフェイトがどんな活躍を見せるのか注目してみてはいかがだろう。

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