アマゾンの森で先住民と2000日以上にわたり生活をともにした著者による体験記が面白い

アマゾンの森で先住民と過ごした体験記が面白い

 ブラジル先住民の暮らしに私たちが今を生き抜くヒントがある。アマゾンの森で先住民と2000日以上にわたり生活をともにした南研子が見て聞いて体験したことをまとめた『アマゾンのふしぎな森へようこそ!――先住民の声に耳をすませば 』(合同出版)が刊行される。

 日本から2万キロ離れたブラジル・アマゾンの森の中、なかまとともに、森の生き物とともに、あらゆる精霊とともに“あるがまま”の暮らしを営む人びとがいる。電気もガスも水道もない、お金は通用せず、文字もないけれど、人びとは豊かな文化を受け継ぎ、それぞれが自分なりの心地よい暮らしを送る。

 偏見や差別、森や文化への攻撃などの事態にも、全員が納得するまで議論を交わし、村全体で答えを出し対応してきた。例えば、地球規模の気候変動の影響で、熱帯林はカラカラに乾燥し山火事が頻発している。そこで先住民はブラジル社会から技術を学び消防団をつくり、予防から消火まで自分たちでおこない、森を守る。

 氷河期にも緑のジャングルが残り、たくさんの生き物の避難場所となったアマゾンの人びとの知恵に、日本に暮らす私たちが持続可能な社会をつくり、人新世を生き抜く答えヒントがあるはずだ。

書誌情報

『アマゾンのふしぎな森へようこそ!――先住民の声に耳をすませば』
https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b632572.html
南研子/著

□定価=本体1,800+税
□A5/160ページ
□ISBNコード:978-4-7726-1542-6

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