『風の谷のナウシカ』実はバッドエンド? ”原作漫画”と”映画”のストーリーが全然違ってた!

『風の谷のナウシカ』はバッドエンド? 

 1984年に劇場公開された往年の名作『風の谷のナウシカ』。宮崎駿監督による作品でスタジオジブリの中でも人気のある映画の1つだが、実は『風の谷のナウシカ』には漫画の原作がある。

  映画はこの原作の序盤の部分を短くまとめたものだ。原作では映画で描かれていない世界の真実などが明かされるが、今回は『風の谷のナウシカ』の映画と原作の違いについて触れてみたい。

漫画は救いがない? 映画と原作の結末の違いとは

 『風の谷のナウシカ』の舞台は、旧人類による最終戦争から1000年の時が経った世界。文明を失った人間たちは、瘴気を放つ腐海と巨大な蟲に侵食された土地で怯えながら暮らしている。

 映画の『風の谷のナウシカ』では、腐海や蟲と共存する道を選択するナウシカが描かれるものの、腐海や蟲たちの真の正体は明かされていない。一方、原作では腐海や蟲たちの真実が描かれている。ナウシカたちが存在する理由も明らかになるため、腐海や蟲との共存にとどまらないスケールの大きな結末を持つ。

 端的に言うと腐海は汚れた世界を浄化する役割を持ち、蟲はその腐海を守る存在だ。原作ではこの腐海と蟲が旧人類によって作り出されたものとなっている。また、ナウシカたち現代の人間も腐海の浄化を見守るために旧人類によって作られた存在。旧人類が望む完全に浄化された世界では、現代の人間は消滅してしまうという衝撃の設定が明かされている。

 映画ではナウシカとクシャナたちとの戦いがメインに描かれるが、原作はナウシカと旧人類との対立を描いた物語。映画と原作に共通しているのは環境問題をテーマにしているところだが、映画よりも原作はかなり重い。

 映画では平和的で希望のある終わりを迎えるが、原作ではナウシカが救いのない世界で愛する人々と生きる選択をするという厳しい現実が待つ結末を迎えた。自然との共生を目指す世界が前者とすれば、後者は自然破壊が招いた結果の社会と捉えることができるだろう。

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