「日本のストリートとアート」は、今どうなっている? 『美術手帖』最新号で見えてきた最前線
『美術手帖』(美術出版社)7月号、「Groundbreaker 日本のストリートとアート」特集が発売された。近年、注目を集める「ストリートとアート」について、現在日本で活躍するプレイヤーたちの言葉に耳を傾け、そこで育まれてきた表現や価値観を探っている。
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近年、バンクシーの新作が発表されるたびにニュースになるほど世間的な注目を集めるようになり、ストリート発のアーティストの作品がマーケットで高い人気を誇っている。「ストリートアート」をめぐる状況は大きく変わったように見える。それでは、「ストリートアート」とは何か? と考えてみると、その定義はとたんに曖昧なものとなる。
今回の特集では、SIDE COREを監修に迎え、「ストリート」と呼ばれる場所で生まれ、育まれてきた表現や価値観を、その場所で生きてきた当事者の世界観や声を通して見ていく。そのことで、「ストリートアート」の再定義のきっかけとなることが目指されており、「アート」の枠組みの再考をも促すものにもなるはず。
巻頭インタビューでは、WANTO、森田貴宏、スケシン、グレート・ザ・歌舞伎町、TOKYO ZOMBIEと、熱量の高いコミュニティやシーンを形成している人々に話を聞いている。また、ストリートカルチャーの範囲が拡大していることにあわせ、タトゥーやスケートボード、グラフィティ、メッセンジャー、パルクールなど、様々な領域のキーパーソンも登場。そして、東京だけではない全国のハブとなるショップも紹介。ストリートのアートを整理するのではなく、複雑に絡み合う路上の文化、その未知なる感性と価値観に迷い込む入り口になる特集となっている。
さらに、森美術館(東京)での「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」で新作を発表しているヤン・ヘギュのロングインタビュー、テリー・ウィンタース、遠藤薫の取材記事も掲載している。
書籍概要
『美術手帖』2023年7月号 6月7日(水)発売
定価|1800円+税
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社