世界の現代アートシーンで注目される梅津庸一、初となる本格的な作品集が発売

梅津庸一の魅力を知る

 美術出版社は梅津庸一の作品集『梅津庸一|ポリネーター』を2023年4月13日(木)に発売する。梅津庸一(1982年山形県生まれ)は美術家として2000年代初めより活動し、日本における近代美術絵画が生起する地点に関心を抱きながら、絵画やドローイングのほか、近年は陶芸作品も手がけている。本書は初期作から代表作まで、多様な媒体による表現の変遷をまとめてみることができる、初の本格的な作品集だ。2023年3月10日(金)からアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて予約受付を開始する。

 本書は、国内外の現代アートシーンで注目を集めるアーティスト、梅津庸一の初となる本格的な作品集。初期作から代表作までの作品約140点、さらに5万字をこえる評論(執筆=新藤淳)や、1万字のインタビュー(聞き手=德山拓一)と、作家本人による最新の書き下ろしエッセイを収録。作品制作のみならず、コレクティブ「パープルーム」やギャラリーの運営、展覧会企画や現代美術の制度をめぐる言論活動まで、高い批評性を保ちながら幅広い活動をする梅津の活動の全容を伝える1冊となっている(日英併記)。 

 穴のあいたしおりと「梅津庸一展|ポリネーター」展示風景(撮影=畠山直哉)を印刷したしおりが重なりあって、表紙の上に置かれ、シュリンクフィルム包装されている。展示風景のしおりは2種類ある。

 本書の見どころのひとつは、2022年にワタリウム美術館で開催された個展「梅津庸一展|ポリネーター」や艸居アネッ クスでの2人展「6つの壺とボトルメールが浮かぶ部屋 梅津庸一 + 浜名一憲」の展示風景を写真家の畠山直哉が撮影し たビジュアルページ。展示会場の什器や壁面の色彩など空間構成も手掛ける梅津の世界観を伝える。デザインは刈谷悠 三+角田奈央(neucitora)が手がけている。

 評論文や、インタビュー、作家自身のエッセイといったテキストでは梅津の幅広い活動についても詳しく分析し、資料と しても極めて重要な性質を有している。多用な活動をつなぐ梅津の作家性と、未来の展開を伝える1冊となった。

■アーティストプロフィール
梅津庸一(うめつ・よういち)

美術家。1982年山形県生まれ。日本における近代美術絵画が生起する地点に関心を抱き、日本の美大予備校や芸大での教育に鋭い視線を投げかけた制作、活動を行う。主な展覧会に、個展:「未遂の花粉」(愛知県美術館、2017年)、「 梅津庸一展|ポリネーター」(ワタリウム美術館、2021年)、2人展:「6つの壺とボトルメールが浮かぶ部屋 梅津庸一 + 浜名一憲」(艸居アネックス、2021年)、グループ展:「恋せよ乙女!パープルーム大学と梅津庸一の構想画」(ワタリウム美術館、 2017年)、「百年の編み手たち―流動する日本の近現代美術―」(東京都現代美術館、2019年)、「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ)1989-2019」(京都市京セラ美術館、2021年)など。著書に『ラムから マトン』(アートダイバー、2015年)。『美術手帖』2020年12月号特集「絵画の見かた」監修。

■書籍情報
『梅津庸一|ポリネーター』 著者:梅津庸一
著者:梅津庸一
発行:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売:美術出版社 
定価:6,000 円+税
発売日:2023年4月13日
仕様:184ページ、 A4 変形、上製本(スイス装) 
ISBN:ISBN 978-4-568-10561-2 C3070

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