『AKIRA』『僕とロボコ』からハリウッド映画まで、細かすぎて伝わらないオマージュを解説

『AKIRA』のオマージュを解説

 1982年に「ヤングマガジン」で連載を開始して以来、唯一無二の世界観で日本のみならず世界中にファンの多い『AKIRA』。連載開始から40年以上が経った現在でも熱い支持を受け続け、同作をオマージュ・パロディした作品は後を絶たない。

■細かすぎて伝わらない『AKIRA』のオマージュ

 特に「週刊少年ジャンプ」で連載中の『僕とロボコ』は、『AKIRA』とはテイストの全く違うギャグ漫画でありながらたびたびパロディを披露。全国のファンから注目を集めている。しかもオマージュされているのは『AKIRA』の有名シーンではなく、読者に気づかせるつもりがないような細かいシーンなのだから驚きだ。

 ちなみに『僕とロボコ』には『AKIRA』以外のオマージュも多数掲載されている。特にコミックスの表紙オマージュはファンの間では有名で、『ドラえもん』や『ONE PIECE』、『約束のネバーランド』など多くの有名作品の表紙を緻密に再現。そのため発売されるたびにどの作品のパロデイなのかネット上でも毎回話題を集めている。

 また細かすぎて伝わらなそうといえば、同じく「週刊少年ジャンプ」で連載中の『呪術廻戦』も同様だ。コアなファンでなければ見つけられそうもない『AKIRA』のオマージュが描かれている。あまりに細かいオマージュシーンに、ネット上では「ここオマージュする意味ある?」「オマージュ探し楽しい!」とさまざまな意見が寄せられていた。

令和になっても増え続ける金田のバイクシーン

 『AKIRA』のオマージュで忘れてはいけないのが、金田のバイクが横滑りしながら止まるシーンだ。あまりに有名なこのシーンは、そのカッコよさからジャンルを問わずさまざまなアニメ作品や映画でオマージュされている。

 国内作品では『ドラえもん』『映像研には手を出すな!』や、意外なところではモルモットが車になった世界をストップモーションアニメで描いた『PUIPUI モルカー』までバイクシーンのオマージュを披露。もはや『AKIRA』を知らなくても、バイクシーンの構図は見たことがあるという視聴者も多いのではないだろうか。

 またバイクシーンをオマージュした作品は日本だけにとどまらない。全世界で話題を集めた映画『NOPE/ノープ』でもバイクシーンのオマージュが披露されている。

 ちなみに『NOPE/ノープ』のメガホンを取ったジョーダン・ピール監督は、以前にも『AKIRA』に関する件で話題を集めていた。『AKIRA』の実写映画化をワーナー・ブラザースからオファーされるも「すでに存在している物語よりも、オリジナルなものをやりたい」と断ったというのだ。そんな彼の作品に『AKIRA』のオマージュシーンが出てくるというのはなんとも感慨深い。

 時代が変わっても世界中で愛され続ける『AKIRA』。多くのオマージュ作品が発表されているが、ネット上では「もはやバイクシーンがある時は描かなくてはならないレベルの構図」という声も上がっている。これからも増え続けるであろう『AKIRA』のオマージュ作品を、ファンとともに見守っていきたい。

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