若者ファッション・カルチャー「定点観測」が500回に到達 「アキバ系」から「森ガール」まで
パルコのファッションとカルチャーのシンクタンク部門が運営するメディア「ACROSS」編集室が、1980年8月より毎月実施する「定点観測」が2022年11月5日の実施をもって、500回目を迎えた。
「定点観測」は、民俗学者の今和次郎が提唱する「考現学」を現代版として応用したもので、渋谷と原宿・新宿の路上にて若者とファッションを撮影・インタビューを行ってきた。
例えば「女子大生ブーム」や「カラス族」、「渋カジ」、「女子高生ブーム」、「郊外カルチャー」、「アキバ系」、「森ガール」、「Y2Kルック」などは、その時々のストリートに沸き起こったさまざまなファッションやカルチャー、若者世代、大人たちを41年に渡って記録してきたドキュメンタリーともいえる。
データサイエンスが経営やマーケティングの主軸といわれるいま、あえて「路上」にこだわり、そこに集う若者とファッション・カルチャーを文化人類学的なアプローチへの注目も集まっている。
■ 「ACROSS」とは?
1978年に創刊した、パルコのファッションとカルチャーのシンクタンク部門が運営するメディア。1980年8月より毎月東京のストリートで「定点観測」を実施し、今日まで若者のファッション文化や風俗を研究してきた。2000年以降、オンラインメディア「ACROSS(https://www.web-across.com/)」で公開中。「定点観測」の他にも、ひとり1人の生活史を日記スタイルで記録する「今月の消費生活」という企画も人気。
★【Web ACROSS】 https://www.web-across.com/
★2021年8月には書籍「ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録」を販売
https://www.web-across.com/publicity/p7l756000005ypxd.html
研究ノウハウや培われた膨大なデータは、時代や流行を振り返る上で非常に大きな価値を持っており、外部企業との共同研究や、マーケティングリサーチ、コンサルティング、外部講演などに繋がっている。
■定点観測とは?
1980年8月より40年以上の間、渋谷・原宿・新宿の3地点を中心に毎月実践的なフィールドワーク研究。そのルーツは建築学者/民俗学研究者の今和次郎による「考現学」で、それを現代版として応用し、実際に現地に赴き、若者と風俗を観察・スナップ・インタビュー、そこで集めた情報を元にその時の流行ファッションやカルチャーを研究している。40年以上にわたる活動を通し、約3万人以上の写真やインタビューのデータを有している。
■編集長の紹介
高野公三子(たかのくみこ)
雑誌「月刊アクロス」編集部にて若者とファッション・カルチャー、メディア等の分野を担当。2000年にウエブマガジンとして新創刊し、ファッション&カルチャーのシンクタンクとしての活動を開始する。2017年、Google Culture Project「We Wear Culture」に参画。共著に『ファッションは語りはじめた~現代日本のファッション批評』(フィルムアート社)、編集室の共著として2021年8月、『ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録』(PARCO出版)。文化学園大学大学院、昭和女子大学講師。慶應義塾大学生政策メディア研究科後期博士課程。