『チェンソーマン』異色のキャラクター・パワー、なぜ人気爆発? 頭のネジが飛んだヒロイン像を読み解く
アニメで際立つパワーの幼さと破天荒さ
物語の途中でパワー(とニャーコ)は早川アキやデンジと同じ屋根の下で暮らすこととなる。作中ではパワーたちが暮らす様子がたびたび描かれ、「早川家」の愛称で親しまれているほどに3人の日常風景は読者からも人気が高い。
そんな早川家の日常はアニメ第4話で描かれることとなる。部屋のなかでニャーコを追っかけたりデンジと走り回るパワーの姿、カレーに入った野菜を投げ捨てるパワーの姿ーー。その様子は子どもの吹くリコーダーのようなBGMの存在もあいまって、まるでアニメ『クレヨンしんちゃん』を見ているかのような感覚を覚えるものであった。
またアニメでパワーの声優を務めるファイルーズあい氏はアニメ『推しが武道館いってくれたら死ぬ(以下、推し武道)』の主人公・えりの声優を務めた人物だ。
『推し武道』に登場するえりも個性的な……というよりも頭のネジがぶっ飛んだキャラクターであり、“推し”に貢ぐためえりが「売れるもの…臓器しか思いつかねえ!/臓器売るわ」と叫ぶ姿は作品を象徴するシーンのひとつだ。個性がつよく浮世離れしたえりであるが、アニメではファイルーズあい氏の演技によってえりの純粋さや破天荒さが存分に表現された。
ドタバタと騒ぐ様子の解像度が高まった映像や挿入されるBGM、ファイルーズあい氏の表現力により、アニメでパワーの幼さや破天荒さは際立って映る。ゆえにアニメでもパワーの人気が高まっているのかもしれない。