プロ漫画家が「喋りながら」と「無言で集中」で絵を描くと、どんな差が出る? 慎本真先生が動画で検証

 ユニークな実験動画を撮影することに定評のある、漫画家の慎本真(しんもと・しん)氏が、自身のYouTubeチャンネルで「絵が上手くなるのどっち?プロ絵師が2つの環境で検証してみた!」と題した動画を公開。その“結果”に視聴者から驚きの声が上がっている。

 慎本氏は「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」でゲスト講師を務めるなど、漫画やイラストの技術を伝えることに長けた作家だ。チャンネル登録者数が58万を超えるYouTubeでは、家族やアシスタントも出演するアットホームな動画を届け、初心者にもわかりやすいイラストや漫画の描き方を伝えている。SNSや各種アプリの登場により、漫画やイラストを発表する場が劇的に拡大し、クリエイターとして活躍したいと考える人も増えているなかで、あの手この手で「絵を描く楽しさ」を伝えてくれる存在だ。

 今回の動画では、「無言で集中した」場合と、「雑談しながら」では、慎本氏の描くイラストのクオリティにどんな差が出るのか、という検証が行われた。プロフェッショナルが「制作環境」にどれくらい左右されるのか、注目が集まる。

絵が上手くなるのどっち?プロ絵師が2つの環境で検証してみた!

 制限時間はそれぞれ10分。慎本氏は事前の予想として、自身が絵を描いているときは“ゾーン”に入っていることもあり、「絵に限らず、何事も集中した方がパフォーマンスが上がる」と語った。

 まずはヘッドフォンで周囲の音を完全に遮断して、完全に集中した状態で制作に取り掛かる。カメラの存在も忘れ、一心に絵と向き合う慎本氏。続いて、アシスタントのエス君、さいとうさんが慎本氏に話しかけ、常に雑談をしながらの制作へ。「何を描くの?」「1000万円あったら何に使う?」と、さまざまな話題で気が逸れるが、果たして仕上がりはどうなったのか。

 詳しくは動画を観ていただきたいところだが、慎本氏は、「集中」の方では、秋になり肌寒くなったことをつぶやく女子、「雑談」の方では、それを聞く男子を見事に描き上げた。男子の方には吹き出しの台詞がなく、慎本氏はその点をマイナス評価としたが、一見して、全体的なクオリティには大きな差がなく思える。視聴者は、「ワチャワチャした中でも ペンの進みが変わらず ハイクオリティでさすがです!」など、雑談しながらでも質を落とさないプロの技術に感嘆するコメントを残していた。

 集中できる環境か、そうでない環境か、というのは、漫画やイラストに限らず様々な制作、あるいは仕事の質に影響を与えるはず。しかし長年かけて体に馴染ませた技術には、環境に左右されづらい強度があるのかもしれない。本筋とはあまり関係ないが、雑談部分も楽しい動画なので、気になる人はぜひチェックしてみよう。

■参考動画 https://www.youtube.com/watch?v=XY2hejF4GtA

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