【漫画】ヒミツだらけの転校生の正体は? すべての謎が解けたとき、まさかの結末に感涙

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

牧:この『ヒミツだらけのあの娘の正体』は、元々新人漫画賞に向けて制作した漫画でした。担当編集さんがついて初めての作品で、ありがたいことに賞もいただけたので嬉しかったですね。最初に決まっていたのは「ラブコメにする」「突飛なキャラの女の子を出す」という設定だったんです。当時はラブコメを描いた経験がなかったので、チャレンジしてみたくて。そして「突飛なキャラ」を「何もかも秘密な女の子」に膨らませて、ストーリーを考えていきました。なのでチャレンジの意味合いが強かったにも関わらずたくさんの反響をいただけたのも、非常にありがたかったです。

ーーファンタジーな雰囲気から謎が解け純愛に繋がる展開が非常に魅力的でしたが、この設定を思いついた経緯を教えてください。

牧:スタートは「何もかも秘密な女の子が出てくる」だったんですけど、実は考え始めた当初は「どうして秘密なのか」の真相部分はまったく考えていなかったんです。最初はギャグにするか純愛にするかも曖昧でした。ただ途中から、『君の名は。』の雰囲気を目指し始めたんです。描いていた当時は、ひたすらサウンドトラックを聞いていましたね。結果どうなったかはわかりませんが、「SFっぽい」と感じていただけたのなら、やっぱり『君の名は。』の影響があるのかもしれません。

ーー喫茶店で主人公が幻覚を見て罪悪感から笑えなくなるシーンが印象的でした。このときの彼の気持ちは?

牧:うまく表現できているかわかりませんが、例えば〆切に追われていて時間が無いのにふとYouTubeをみてしまって、「ああ俺は何をしてるんだ、そんな場合じゃないだろう」と我に返るような…(笑)、彼は10年間もずっとそういう状態だったんだと思います。自分は楽しんではいけない人間なんだと思い続けてきた。想像を絶するしんどさであるはずなのに、そんな中でも腐らず勉強を続けてきたのがすごいですよね。生みの親ながら、彼には幸せになってほしいです。

ーー牧さん自身が気に入っている点や、注目してほしい点はありますか?

牧:作画的視点で言うと、ヒロインが丸っこく描けている絵が好きです。あとは主人公のやさぐれた表情も気に入ってますね。ストーリーでは終盤のクライマックスに向かう一連の流れが気に入っています。見開きもエモく描けた気がしますし、オチのセリフも良かったんじゃないでしょうか。読後感よく締められたかなと思います。全体を通して「秘密」という言葉を筋として、まとめられたのが良かったです。

ーー今後はどのような漫画を描きたいですか?

牧:やっぱり少しでも人の心を動かせる、人に感動してもらえる作品が描ければと思っています。私自身が多くの作品に感動しながら育ってきたので、そういう作品が描けるように精進していきたいです。ただその一方で漫画はエンタメでもあるので、本質的には人に楽しんでもらえるのが大前提ですよね。この2つをうまく両立した作品が描きたいです。最近はTwitterにも色々な作品をあげており、毎回リアクションをいただけることに感謝しています。今後も良い作品を描いていきたいと思っていますので、よろしくお願いします!(Twitter:@aki_maki)

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