【漫画】昔飼ってた猫が幽霊になって現れたら……? 漫画『きみにまた逢えたなら』がTwitterで話題
ーー本作はTwitterにて4000件以上もリツイートされ、大きな話題となりました。創作のきっかけを教えてください。
めぐお:だいぶ昔からお世話になっている担当編集者さんがいて、彼が携わっている漫画賞があるんです。いろんな作品を描いて投稿していたんですけど、全然ダメで。
本や映画を楽しむのは好きなんですけど、そもそも創作漫画に対しての苦手意識がありました。思ったように描けないというか。そのときに、自分の思い入れのあるテーマなら気持ちをグッと入れた良い作品ができるのかなと思ったんです。
ーー投稿のリプライ欄で拝見したのですが、めぐおさんも猫を飼っているんですか?
めぐお:そうなんです。実家で猫を飼っているので、やっぱり猫などの“ペット”には相当な思い入れがありました。なので猫ならインスピレーションが湧くし、広がりやすいかなと考えたのが最初です。
ーー本作はやはり、猫のグレと飼い主の優の絆が印象的でした。グレはどのような想いで優の前に現れ、どのような想いで去っていったのでしょうか。
めぐお:優は結構疑っていたり負い目を感じている部分があるんですけど、実際のグレにマイナスの気持ちはないんです。本人の罪悪感とは逆で飼い主が好きな、猫の雰囲気を表現したくて。グレは虹の橋から脱走したときには優の危機を察知していて、ボディーガードのような気持ちで帰ってきたんだと思います。
作品には、ペットとの別れに罪悪感を抱いている飼い主さん達の感想も結構いただきました。『きみにまた逢えたなら』には、そういう人達が少しでも救われればいいなという気持ちも込めています。なのでグレに恨む気持ちはまったくなく、優への愛情しかないんです。
また去り際に関して、ずっと一緒にいるラストでもいいかなとは思いました。でもやはり現実的に考えたら、別れは絶対にあるもので。そのうえでグレも安心して帰れて、優も前を向ける前向きなお別れになるよう描きました。
ーーめぐおさん自身が好きなポイントや、注目してほしい点はありますか?
めぐお:この作品を描く前から、ちょっとずつ天使や天界が出てくる漫画やイラストも描いていて。今人間を描くのがすごく楽しいので、ファンタジー感満載の天使を含むいろいろなキャラを描けたのが楽しかったです。なのでキャラクターの画に注目してもらえると嬉しいですね。
あとはラストシーンのグレが優に頭をぶつけるシーンも、好きな場面です。このシーンは大ゴマなんですけど、セリフや文字をあえて入れてないんです。読んでる人自身が、何かを感じてくれればいいなと思って描きました。
ーー影響を受けた作家はいますか? また好きな作品は?
めぐお:私は基本的に、短編が好きなんです。短くて一話完結なのに、破壊力がある作品にすごく惹かれて。なので九井諒子さんや伊藤潤二さんの短編集は、読んだあとの満足感やアイディアがすごいなと思います。
ーー今後はどのような漫画を描きたいですか?
めぐお:実は今コミカライズのお仕事をいただいていて、準備期間中なんです。でもそこでは話を考えなくていいので、しっかりと画力を上げながら少しずつ創作も進めていきます。
やっぱりジャンルで言うと、ファンタジーですね。死後の世界とかを、楽しい雰囲気で表現するのも好きです。亡くなった人やペットが、楽しんで暮らしてるかもと思うと元気が出るじゃないですか。
なので今後も、読んだ人がちょっとでも元気になるような作品を描けるように、頑張りたいです!