一見上手な“スケボー少年”のイラスト、プロが添削した結果がすごかった 貫かれた細部へのこだわり
各種アプリやウェブサービス、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを“掲載”できる場が急激に広がったことで、ウェブ発の人気作品も数多く登場している昨今。プロを目指す漫画家の卵もそれだけ多く、キャラクター造形やストーリー作り、作画&コマ割りなど、独学ではなかなか解決できない悩みを解決してくれる”添削動画”が人気を博している。
YouTubeで検索すれば多くの動画が見つかるが、なかでも「元週刊少年漫画誌の連載作家」という経歴を持ち、親身になったアドバイスと熱のこもった指導で人気を博しているのが、ペガサスハイド氏だ。素人が見ればすでに上手なイラストや漫画が、プロの目線で細やかにチェックされ、見る見る改善していく様子が楽しく、またペガサスハイド氏はあくまで応募者の個性を大事に、楽しいトークを交えて添削を行うため、見ていて心地がいいのも、人気の要因だろう。
10月30日公開の動画で取り上げられたのは、漫画家を目指しているという、千歳えみりさんのイラストだ。スケートボードに乗り宙を舞う少年を見上げるようなアングルで描いた作品で、一見とても上手だが、「体の動きと表情に自信がない」という。
ペガサスハイド氏はいつもどおり、この作品の「良いところ」から分析していく。「自分が想像した世界を他の人にも共有してほしい、という気持ちが強かったから、この(アングルとポーズが非常に難しい)絵を描こうと思ったんだと思う。その行動力が素晴らしいと思いました」「服が捲れ上がったり、髪が靡いたり、鞄の中のプリントが舞ったり、目に見えない“風の動き”を表現しようとしているのもすごくいい」「絵の雰囲気が爽やかで明るい。背景は真っ白だけど、空が晴れている感じとか、ポジティブなものを感じるのが魅力的」と、長所を押さえた上で、どうすればさらにレベルアップできるのか、ペガサスハイド氏は自らペンを走らせていく。