ぜんぶ君のせいだ。オフィシャルブック『EsEgo』から伝播する、熱と胸の高鳴り

『EsEgo』から伝わってくるぜん君。の本気

 ぜんぶ君のせいだ。(以下、ぜん君。)が、7月7日に発売したオフィシャルブック『EsEgo』(エスエゴ)。2021年1月に如月愛海、征之丞十五時、甘福氐喑、もとちか襲、雫ふふ、メイユイメイ、个喆の新体制をスタートさせ、初の書籍となる本作は、ぜん君。にかける7人の愛と決意の形だ。

 アートワークは、“病みかわいい“をビジュアルコンセプトにしたぜん君。のイメージそのままに、ちょっぴり影を感じるデザイン。だが、ページをめくるたびに彼女たちの中にある、ぜん君。のこれからを照らす光を感じずにはいられない。

130ページ超の圧倒的な読み応え

 本作は、グラビアページにライブフォト、長文インタビュー、一問一答、ソロ企画などが楽しめる個人ページ、楽曲制作を手掛けるGESSHI類との対談、コドモメンタル所属アーティストたちによるアンケート……そして決意表明と、実に多くのコンテンツが詰め込まれている。

 発売直前、7人にインタビューをする機会を得たが、リーダーの如月愛海は幾度となく「この企画は、どうしてもやりたかったんです」「患いさん(ファン)たちに見てもらいたくて」と話していたのが印象的だった。

 2人、3人と組み合わせた写真も「この同期メンバーで撮りたい」「“おやつとこてつ“は外せない」と、それぞれに意味があるのだと語る彼女たち。また、ライブフォトのページは実に赤裸々な思いが綴られている。毎回ライブ終わりに感じたことや反省点をメモしているという彼女たち。その正直な声が、そのまま収録されている。また、少し時を経て振り返った“今”の心境も……。

 7人体制になって、およそ半年。そんな短い時間であっても「感情がぐちゃぐちゃ」「不安になっちゃって」「ぜえぜえしてた」と綴られた言葉たちから、次第に「一つ一つものにしていかなきゃ」「また来る時は何倍もでっかくなってようときめた」「見ていて!」と力強い言葉が多く見受けられるようになっているところからも、その成長ぶりが伺えるのが興味深い。

 企画されたパッケージではなく、自分たちが今発信したいと願った思いをそのままに。まるで彼女たちの日記やアルバムを整理して作られたかのようなオフィシャルブックなのだ。

嫉妬を覚えるほどの、ぜん君。愛

 ぜん君。に憧れ、好きすぎるが故にオーディションに合格しても加入することを躊躇した甘福氐喑をはじめ、今のぜん君。にはグループに対する思い入れを強く持つメンバーが揃っている。だからだろうか限りなくファンに近い視点で、ぜん君。の良さを発信したいという熱さが、このオフィシャルブックから感じられるのも大きな特徴だ。

 それはつまり、彼女たちが見てほしいもの=ファンが見たいものが一致しているというミラクルを生む。

 なかでもメンバーがメンバーの好きなパーツをベタ褒めするページでは、その愛が炸裂。メンバーだからこそ知るあんなチャームポイントやこんな魅力を、これでもかとプレゼンテーションしてくれるのだ。パーツ撮影の際には、メンバー同士で「もっと手で掴んだほうがプニッとした肌の感触が伝わるのでは?」と、撮っては見せ方を修正していくこだわりっぷりだったという。

 また、ぜん君。の楽曲を手掛けるGESSHI類氏への質問コーナーも。どのように楽曲が生まれたのか、これからどのような楽曲が生まれる可能性があるのか……というメンバーの好奇心は質問コーナーに収まりきらず、対談ページまで広がってしまったというのが、彼女たちらしくて微笑ましい。

 対談ページで思わず心を弾ませずにいられないのが、GESSHI類氏が7人の声色について言及する場面だ。如月愛海&もとちか襲のぜん君。らしさを感じるスクリームに、个喆の高いフライスクリーム、甘福氐喑の低いスクリーム(グロウル)、メイユイメイ&雫ふふの少し鼻声の感じ、征之丞十五時のハスキーな歌声……。7声の5ラインが作れることに「音楽的にこうしたいな、こうしたら面白いなとかこんな風に挑戦したらこんなのが生まれるなとか。今そういう意味で言うと面白い実験が沢山出来そう」と話すのだ。

 これには、メンバーも「楽しみ!」とテンションが上がる。それは表現者としてのやりがいはもちろんのこと、進化していくぜん君。を楽しみに待つファンの想いとも重なり、一層の熱量を帯びているようにも感じる。大好きなぜん君。を自分たちの手で更新していく……そんなワクワク感に包まれている彼女たちを、うらやましく思ってしまうほどだ。

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