「ことばの遣い手」が集結! 映画美学校言語表現コース「ことばの学校」開講

映画美学校「ことばの学校」開講

 映画美学校の新たなコースとして、映画美学校 言語表現コース ことばの学校が開講される。7月28日より開講予定で、主任講師は思考家の佐々木敦が務める。

 言語表現のさまざまなジャンルや形式に触れ、「自分が自分だからこそ書ける言葉」を発見し、獲得することを目指す。

開校宣言

 映画美学校の新しいコースとして「ことばの学校」をスタートします。

 いま、言葉は、ありとあらゆるところに溢れています。私たちは、言葉を発さない日、言葉を使わない日、言葉を目にしない、耳にしない日は、まずほとんどないと言っていいでしょう。

 言葉は道具です。でも、ただの道具ではない。道具であるだけでもありません。

 言葉にはもっと多くの意味と意義、機能や価値、可能性があります。

 言葉による営みと試みは、私たちの世界を押し広げたり、それまで気づいていなかった重要なことどもに気づかさせてくれたりもします。言葉はただ単に、他人と関係したり誰かを説得したり何かを説明したり物事を円滑に運ぶためだけのものではありません。言語表現の芸術的な側面や、文化としての次元は、たとえ明確な有効性や有用性を披瀝し得ていない場合であっても、思いがけないかたちで、とつぜん鮮やかな光彩をまといながら、私たちの前に立ち現れることがあります。

 書くこと、読むこと、話すこと、語ること、綴ること、述べること、文章には、技術という要素もありますが、それだけではない、「上手い文章」や「良い文章」が一通りしかなかったら世の中の文章はぜんぶ同じになってしまいます。

 書くことを学ぶこと、言葉の使い方を学ぶこと、言語表現を学ぶことの目的は、煎じ詰めれば、自分が自分だからこそ書ける言葉、そのような文章を書けるようになることだと思います。それを個性や魅力と言ってもいいですが、僕はここでは必然性と呼びたいと思います。書かれる必然性、この世界に産み落とされる必然性を持った自分の言葉を紡ぐこと。

 ことばの学校では、言語表現のさまざまなジャンルや形式に触れることができます。僕はかつて、かなり長い間「批評」のスクールをやっていました。しかし今回は、批評や評論も含みますが、創作やエッセイ、ノンフィクションなどなど、極めてヴァラティに富んだ「ことば」のありようを学べる学校として、渾身のプログラミングを行いました。

 第一期は「基礎科」と「演習科」に分かれています。基礎科では、総勢15名のそうそうたる講師陣によるオンライン・レクチャーが日替わりで行われます。演習科ではそれを踏まえて、4名の専任講師がより実践的な指導を対面とオンラインのハイブリッド形式(予定)で担当し、あいだにスペシャルゲストによる特別講義が挟まります。基礎科、演習科ともに座学だけではなく、具体的な課題を設定し、実際に文章を書いて講評を受けることが出来ます。

 ことばの学校は、文字通り「言葉のスクール」です。いわゆるライタースクールやカルチャースクールとはひと味もふた味も違います。どうしてことばなんてものが存在するのか、ことばでいったい何ができるのか、あらためて考えてみるための、そして「自分ならではのことば」を発見し、獲得するための、これは学び舎です。

 多くの方々の参加をお待ちしております。

映画美学校言語表現コース ことばの学校

佐々木敦
佐々木敦

主任講師 佐々木敦
思考家。HEADZ主宰。文学ムック「ことばと」編集長。
30年以上にわたって芸術文化の複数のジャンルで、執筆、批評、企画、編集、オーガナイズ、プロデュースなどを行ってきた。著書多数。

【映画美学校 言語表現コース ことばの学校】
<基礎科> 2021年7月28日(水)開講・全20回
言語にまつわる様々なジャンルで活躍する全15名の講師による講義と主任講師の佐々木敦による講義の全20回の講義から、様々なジャンルの言語表現を吸収します。全回オンライン講義でどこからでも受講が可能。
・基礎科講師
安藤礼二(文芸批評家、多摩美術大学図書館長・教授)、磯部涼(ライター)、宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)、小田原のどか(彫刻家・評論家)、五所純子(文筆家)、佐藤亜紀(作家)、滝口悠生(小説家)、高山羽根子(作家)、千葉雅也(作家・立命館大学大学院教授)、豊崎由美(書評家)、中原昌也(ミュージシャン・作家)、マーサ・ナカムラ(詩人)、星野太(美学、表象文化論)、細馬宏通(早稲田大学文学学術院教授)、山崎まどか(コラムニスト)
・毎週水曜19:30-21:30
・受講料:74,000円(税込)
*映画美学校通年講座をはじめて受講される方は別途入学登録料10,000円
・申し込み受付:2021年6月上旬より映画美学校ホームページ〔http://eigabigakkou.com〕にて受付開始

<演習科>2022年1月開講、全20回(予定)
演習科は4名の専任講師からの直接指導により、自分の中に眠る<ことば>を構築する。
またスペシャルゲストによる特別講義も実施。対面とオンラインの併用で行うことで、より細かな対応を行う。
・演習科専任講師
倉本さおり(書評家)、九龍ジョー(ライター/編集者)、西森路代(ライター)、矢野利裕(批評家、DJ)他、ゲストによる特別講義を予定。

キックオフイベント「〈ことば〉と新たに出会うために」開催決定
6月23日19:30~
出演:磯部涼、小田原のどか、高山羽根子、星野太、佐々木敦
LOFT CHANNEL<配信>にて開催! 料金:1000円(税込)
*詳細:https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/179891(LOFT9 Shibuya ホームページ)

基礎科・募集ガイダンス(無料・要予約)
7月7日(水)19:30~開催(オンラインにて実施)
主任講師からカリキュラムを直接説明する
申し込み:映画美学校ホームページより受付

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