「こち亀」はスマホの登場を予言していたのか? 電極スパークのぶっ飛びアイデアを検証
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のキャラクターで、時代の最先端を行くハイテクノロジー製品の開発に意欲を燃やすスーパー電子工機社長の電極スパーク。彼が生み出す商品はぶっ飛んでいるが、後にそのアイディアが現実化されたこともある。そんな電極スパークが生み出したアイディアを検証したい。
最高級ランドセルシステム
派出所に道を聞きに現れた謎の小学生。突然携帯電話を取り出すと、ランドセルからモニターを出し、株式市場をチェック。さらにそこからFAXまで送信してみせる。
電話で「ナビコンで移動していたが道に迷った」と話す小学生。そのうち、ランドセルの電池残量が少なくなり、派出所で充電を始める。そしてこの小学生が電極スパークの息子であることが発覚した。
新しいもの好きの両津がランドセルについて質問すると「最高級ランドセルシステム」と話す。液晶モニター、FAX、ビデオカメラ、ナビゲーターコンピューター、キーボードにもなるそろばんなどが取り付けられていた。
また、リコーダーを吹くと電話の通話やテレビ視聴が可能で、防犯ブザーやエアバッグ機能も持つ。そして大人版の「アタッシュケースGX767」もあるそうで、こちらには取っ手に指紋認証システムが実装されていた。(82巻)
最高級ランドセルシステムは現実化されていないが、コンピューターやカメラが内蔵されていることは、スマートフォンと酷似している。また、指紋認証や充電の概念などは、現在は一般的だ。アイディアは、現実化されたと言って良いのかもしれない。
BIスーツ
親子で遊園地を訪れた電極は、子供を新製品のモニターに使っていることを快く思わない妻から「普通の父親でいてほしい」と怒られ、スーツの上着を脱がされてしまう。
その様子を見ていた両津に自慢したのが、その上着である。それは「BIスーツ」と呼ばれるもので、スーツの裏に携帯電話、コンパクトカメラ、名刺読み取り機、液晶テレビ、髭剃り、スピーカー、電子手帳、かっぱ、傘などがすべて収納できるようになっていた。定価は、55万円。
裏に様々なハイテク機器や小物を収納するスーツはなかなか実現されていないが、機能的にはスマートフォンに相通じるものも、感じさせた。(85巻)