VRゴルフ、レンタサイクル、寿司ロボット……実現した『こち亀』のビジネスアイデアたち

現実になった「こち亀」のビジネスアイデア

 日本が誇る不滅のギャグ漫画、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。笑いあり、涙ありの内容で、高い評価を受けているのが、その先見性である。漫画で登場したアイデアが、その後現実のものになったケースは極めて多い。今回はそんな「現実になったビジネス」を検証したい。

シミュレーションゴルフ

 中川の系列会社が開発したというスポーツビル。そこは、様々なスポーツが楽しめる娯楽施設だった。そのなかで登場したのが、現在のVRゴルフに似たシステムだ。

 両津がゴルフスイングブースに入ると、そこには巨大スクリーンが。そこにはコースが映っており、固定されたボールを打つと、コンピューターが衝撃の強さや角度を計算し、ボールが飛んでいく様子が表示される。また、風などにも影響を受ける。こうして実際にコースに出ているような感覚でプレーを楽しむことが出来る。

 開発担当は「現代のサラリーマンは忙しくてコースになかなかいけませんから、ここならコースのムードが味わえて上達しますよ」と胸を張った(50巻)

 このシステムは現在のシミュレーションゴルフそのもの。完全に実用化された技術と言っても、過言ではないだろう。

レンタサイクル

 中川とパトロール中、小さな自転車を見かけた両津は「なんだこりゃ、随分変わった自転車だな」と驚く。するとおじさんが登場し、「500円自転車の試作品だ」と声をかける。駅前に自動販売機を作り、「チャリンコポイ」という使い捨て自転車にする計画なのだという。

 両津はおじさんのチャリンコポイビジネスに乗り、販売部長として大々的に宣伝する。最終的に飽きられしまったものの、一時的なヒットを飛ばした。「使い捨て自転車」は登場していないが、お金を払って自転車に乗るシステムは、現在都内で流行中のレンタサイクルに通じるものがあった。(52巻)

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