サーモンのマーマレード焼き、辛くない麻婆豆腐……タサン志麻の絶品おかずを作ってみた

『志麻さんのベストおかず』実際に作ってみた

ソースも絶品「豚肉とジャガイモの重ね焼き」

 普段は家族の好みも考慮はするが、自分の好み一発で料理するのは何よりも楽しいし、やる気も出るし、おいしい。そこで本書の最終章「超かんたん!三ツ星レストラン風 おもてなしレシピ」からは、自分をもてなすべく「豚肉とジャガイモの重ね焼き」を作ってみた。

 こちらも下ごしらえした材料をどんどん重ねてオーブンに入れて焼くだけの、お気楽レシピである。

 蒸し焼きにされた豚ローストンカツ用肉とジャガイモが、ソテーとはまた違うふっくらした食感に仕上がり、ほっぺたが落ちそうになる。具材から旨味が滲み出たコンソメベースのソースも絶品で、ちぎっては浸しながら食べていたらパンが足りなくなってしまったほど。


 そこでふと舌の記憶が呼び覚まされた。昔フランスで食べた家庭料理「豚肉のシャンバロン風」を思い起こさせるのだ。日本ではよそゆきのレストランでしかお目にかかれないと思っていたが、実は気取らずに作れる、おうちフレンチにピッタリの一品だった。

簡単&おいしい料理で、日本の台所を楽しく、楽にしてくれる一冊

 本書には、100種類に及ぶレシピの他にも簡単においしく料理するための基本のコツやヒントがすみずみに散りばめられており、作れば作るほど、志麻さんがプロの世界で得た知識やテクニックが自然と読者の身に付く構成になっている。きっと料理初心者からプロはだしの向きまで、気構えることなくレパートリーを増やせる一冊となるだろう。

 私自身も志麻さんレシピと付き合って1週間、毎日気楽に献立づくりを楽しめた。自炊ざんまいでアイディアに詰まりがちな今日この頃ではそれだけでもう三ツ星。これからも、献立がマンネリしてきたら志麻さんに教わろう。いつか家に呼んでみたいな、という壮大な夢は持ち続けつつ。

■大信トモコ
元Supersnazz、現在はTweezersとRock Juiceで活躍中の歌うベーシスト。趣味は映画と音楽鑑賞、料理本集め。Twitter

■書籍情報
『いつもの食材が三ツ星級のおいしさに 志麻さんのベストおかず』
著者:タサン志麻
価格:本体1000円+税
出版社:扶桑社
公式サイト

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