武田玲奈はグラビアを通して大人になっていくーー『タビレナtrip3』で見せたアンニュイな表情
舞台となったのは、宮崎、沖縄、三重・伊勢志摩、韓国の4箇所。宮崎の名所である高千穂峡では武田を目の前に一緒のボートに乗った気分になり、沖縄の無人島・ウカビ島では彼女が着る赤のブラトップがターコイズブルーの海と砂浜の上で映える。英虞湾を望む武田の背中が艶やかな伊勢志摩から、チマチョゴリを着た姿が優美な韓国まで。『タビレナ』の魅力は、その景観に合わせた衣装とまさに“トリップ”した感覚になれるその視点、構成だろう。随所で愛らしい笑顔を見せる武田が、ラストの韓国では自然豊かな春川で、アンニュイな表情を浮かべる。その佇まいを見て、23歳の今の武田の思いまで透けて見えたような気がした。
『blt graph.』連載の方では初の東北に進出し、初夏の青森・八甲田山、さくらんぼ狩りを体験している。『タビレナ』は武田とともに旅する感覚になれるフォトブックであると同時に、彼女の成長を記録する貴重なアーカイブでもある。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter。
■書籍情報
武田玲奈3rdフォトブック『タビレナtrip3』
価格:2,200円(税込)
出版社:東京ニュース通信社
公式サイト