『ダブル SIDE A/SIDE B』『詳注 アリス』……新年おすすめ、新たな世界へと誘う新作書籍5選

新年を迎え、新たな世界へと誘ってくれる本のページを開きたい。そんな本好きのために、現役書店員に5冊の書籍をセレクト、紹介してもらった。(編集部)
『短篇集 ダブル SIDE A/SIDE B』パク・ミンギュ著、斎藤真理子訳(筑摩書房)
フェミニズムや格差社会という言葉と一緒に語られる機会が多い韓国文学だけれど、社会から見た意義のある/なしに関係なく、物語としてとにかく面白い、と今年はもっと声を大きくして伝えていきたい。『カステラ』(クレイン)で第一回日本翻訳大賞を受賞した日韓両国で人気のある作家の短篇集。巨大なアスピリンが空に浮かび、マリリンモンローの生まれ変わりを自称する男は宇宙人に拉致される。絶望的な孤独や死を前にしても、登場人物たちはユーモアを忘れない。飯食って出すもの出したらあとは寝るだけ。清々しいほどの諦めに愛しさが込み上げる。
『詳注 アリス』マーティン・ガードナー著、高山宏訳(亜紀書房)

『急に具合が悪くなる』宮野真生子、磯野真穂著(晶文社)
