内田理央主演ドラマ『来世ではちゃんとします』、原作漫画で描かれた“恋愛あるある”のリアル

『来世ではちゃんとします』原作漫画の魅力

 内田理央主演のラブコメドラマ『来世ではちゃんとします』(テレビ東京)が1月8日深夜よりスタートし、SNSを中心に話題となっている。同作は、Twitter発でコミックス化したいつまちゃんによる同名4コマ漫画をドラマ化したもの。激務で低賃金のCG制作会社「スタジオデルタ」を舞台に、性依存症気味の大森桃江(内田理央)、彼氏いない歴=年齢の隠れ処女・高杉梅(太田莉菜)、悪気なく女子に手を出す魔性のタラシ・松田健(小関裕太)、セカンド童貞の林勝(後藤剛範)らの“こじれた”恋愛模様を描く。

 原作となる4コマ漫画『来世ではちゃんとします』はどんな作品なのか。いつまちゃんによる原作を通じてファンになったという、ライターの佐藤結衣氏に話を聞いた。

「原作者のいつまちゃんはもともとTwitterで有名な方で、SNSが一般化する以前は可視化されにくかった“こじらせ恋愛あるある”を4コマで表現してきました。ドラマで視点人物となっている大森桃江に象徴されるように、モテる/モテないといった問題だけではない性の悩みを抱えた人物が描かれているのが現代的で、そこに多くの共感が集まっているのだと思います。少し前だと、例えばルックスに恵まれた人は性に対する悩みを抱えていても、他人から『どうせモテるんでしょう?』などと言われて本音を打ち明けにくい風潮があったと思いますが、Twitterのように匿名で悩みを打ち明けられるツールができたことで、性の悩みは人それぞれに難しさがあるということが見えるようになった。いつまちゃんはそういう呟きを丁寧にすくい上げて、表情豊かな漫画で表現しています」

 CG制作会社「スタジオデルタ」を舞台にしている点も注目したいと、佐藤氏は続ける。

「『スタジオデルタ』はいわばブラック企業で、登場人物たちはみんな社畜です。しかし、4人の男女は性的にこじらせているけれど、お互いにそれを咎めるということはなく、ある意味でのユートピアのような空間を形成しています。みんなそれぞれに性に関する悩みを抱えているからこそ、労わりあっている部分が垣間見えるんです。『あの人みたいにはならないように、自分はちゃんとしないと』と思いつつも、ダメなところを認め合っているというか。血の繋がらない家族のような共同体を描いたからこそ、本作は愚痴っぽくならず、ユーモラスな読みものになっているのではないでしょうか。みんな、力を合わせて仕事はちゃんと頑張っているから、つい応援もしたくなります」

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