三浦透子の歌声に宿るエモーション 際限なく高まる今後のライブへの期待――Billboard Live公演を観て

最後のMCパートでは、三浦が先日の大阪公演の打ち上げで撮影したバンドメンバーとスタッフの集合写真をスマホの待ち受けに設定していることが、山本から明かされた。三浦は「私にとって初めてのバンドで、全部の瞬間が濃くて」「演奏が素晴らしいのはもちろん、人がよくて」と、バンドメンバーに目一杯の愛と感謝を伝え、このメンバーでステージに立つ機会を与えてくれたファンに対しても、丁寧に感謝の言葉を送り届けた。「もっと聴いていただける機会を作れたらなと思います」という今後のライブ活動に向けた期待を高めさせてくれる言葉を伝えたのち、いよいよラストスパートへ突入。

最小単位まで音数を絞ることによって、三浦の歌声が息遣いまで含めてありありと伝わってきた「蜜蜂」、まるで長年の友人に向けて優しく語りかけるような三浦の歌声が、ビルボードライブ横浜という会場の親密な距離感も相まって、いっそう心の奥底まで染み渡った「点灯」で本編は終了。
アンコールでは、「今、ここにいるって噛み締めながら、感じながら、一緒に作れたらなと思います」「大切に歌います」という言葉を添えて、『天気の子』の主題歌のカバー「愛にできることはまだあるかい」を披露。バンドメンバー一人ひとりの音がそれぞれ自由に集まったり、躍動したり、散ったりしつつ、サビでは各々のベクトルが明確に重なり、輝かしい一体感を生み出す。そうした即興性の高い展開を繰り返しながら、全員で一緒に大団円を迎えにいく。あまりにもドラマチックで、感動的な名演だったと思う。今後のライブ活動への期待が際限なく高まるような素晴らしいステージだった。

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