2025.03.26 12:00

「w-inds.の状態はアルバムを聴けばわかる」　『Nostalgia』ツアーを経たポジティブなムード、『winderlust』制作背景に迫る

「もっといける」という思いを忘れたくない

――では、収録曲について聞かせてください。1曲目の「Zip It」は全編英語詞のメロウな楽曲。

慶太：英会話をめちゃくちゃやってる時期があったんですけど、そのときに「Zip it」というフレーズを習ったんですよ。静かにしろとか、秘密にしてという意味なんですけど、すごくオシャレな言い方だなと思って、それをテーマにした曲を作りたいなって。

――タイトルありき？

慶太：そうです。自分で全編英語詞の歌詞を書いたことがなかったので、そこもチャレンジですね。英語の先生が作詞もやる方なので、アドバイスをいただきながら頑張って書きました。

涼平：全編英語詞はかなりのチャレンジですね。自分は今まであまり歌ってきていないし。録ったのはだいぶ前だけど、けっこう苦労しました。

慶太：発音もあるし、キーも高いからね。

――「Run」は慶太さん、涼平さんのボーカルのバランスが絶妙だなと。

慶太：「Run」は『Beyond』ツアーの頃にできていて。前向きになれた自分たちの第一歩という感じの楽曲ですね。

涼平：w-inds.として新しい体制で走り出して、それがちょっとずつ形になってきて。ここからまた一緒に進んでいこうというメッセージを込めた楽曲になっていると思います。

w-inds. / Run (LIVE MUSIC VIDEO)

――そして、ゆったりとしたグルーヴの「One more time」へとつながります。

慶太：チルくていいですよね。この曲に関しては……背伸びしたがっていた自分がずっといたんですけど、「そういうことじゃないな」と感じ始めたタイミングで作りました。実力以上に見せたいとか、「こうなりたい」という理想を追いかけてきたんだけど、ありのままの自分、等身大のw-inds.を見てもらいたい。そういう思いをこの曲に込めています。

――以前から等身大で勝負していた印象もありましたけどね。

慶太：でも、「評価してもらいたい」という気持ちはありましたからね。今は「カッコいいと思ってほしい」という感じも全然なくて。それよりもファンのみなさんの気持ちのほうが大事だし、楽しんでもらえることがいちばんなので。

涼平：確かに昔の方が「カッコよく見られたい」という気持ちが強かったですね。逆に言えばカッコ悪い瞬間を見られたくなかったし、ちょっと仮面を被っていたところもあって。今はそうじゃなくて、自然体でやれていると思います。

慶太：いい言葉を聞いたんですよ。「“かっこ悪い”が“かわいい”に変わった瞬間に無敵になる」っていう。そうなったらマイナスポイントがなくなって、一生推せるようになるらしいよ（笑）。

――（笑）。「Rookies」にもポジティブな思いが込められていて。

慶太：w-inds.らしい曲ですよね。ずっと新人の気持ちのままというか、突っ走っていきたいという感じがずっとあって。20何年も活動していると、どうしても安定してきちゃうし、技術もあるから、こなそうと思えばこなせてしまう。それは僕にとってはナンセンスだし、「もっといける」という思いを忘れたくないんですよね。それはw-inds.がずっと掲げてきたテーマだし、改めてその気持ちを示したいと思って作った楽曲ですね、「Rookies」は。

涼平：w-inds.はずっとそういう感じですね。20年経っても全然……。

慶太：貫禄ないしね（笑）。

涼平：すぐ恐縮しちゃうし（笑）。それがいい部分でもあるのかなと思ってます。

――周囲から気を遣われることはありますよね？

慶太：ありますね。事務所の若いスタッフの方も、大御所みたいに接してくれるんですけど、ちょっと気まずい（笑）。やっぱりそういう環境は自分たちにとって居心地のいい場所ではないんだと思います。

どうしてもリード曲にしたかった「Who’s the Liar」

――続いては「FAKE IT」。洗練されたグルーヴが印象的でした。

慶太：自分で言うのもアレですけど、すごくオシャレな曲だなって（笑）。間奏のシンセがお気に入りです。テーマとしては、インスタなんかで、嘘でもいいから自分を華やかに見せようとする人がいるんだなと感じたのがきっかけですね。

涼平：いい面もあると思うんですけどね。エンタメにいる人間には誰しもそういう瞬間があると思うんですよ。見栄じゃないけど、理想の姿に近づけるようにがんばっている人も多いので。

慶太：そうだね。次の「Who’s the Liar」は、そういう傾向に対する自分のなかの怒りですね。「自分を輝かせるために」という理由はいいと思うんですけど、あまりにも嘘が多すぎるというか。嘘の情報に対して議論している人が多すぎて、それが気持ち悪いなって。

――完全な作り話、デマをSNSで発信する人もいますからね。信じられない行為ですが。

慶太：そういう時代になってしまったんでしょうね。だからこそ、しっかり自分を持つことが大切だなと僕は思っていて。インターネットやSNSはすごく便利なツールだけど、振り回されないようにしっかり自分の軸を持っていないと、さらに苦しくなりそうですよね。

――アグレッシブなトラックメイクも素晴らしいですね。めちゃくちゃ踊れそう。

涼平：そうですね。MVも撮影したんですけど、えげつなかった（笑）。

慶太：GANMIのSotaが振付してくれたんですけど、2分半くらいの曲なのに、立てなくなりました（笑）。リアルサウンドさんの取材なのでぜひ書いてほしいんですけど、「Who’s the Liar」のトラック、すごく気に入っていて。マスタリングまで全部自分でやったんですけど、低音のワイドさと奥行きは、J-POPではちょっと聴いたことがない、世界レベルのトラックだと思っているんです。最初は「Zip It」をリードトラックにしようという話だったんですけど、「Who’s the Liar」ができたときに「これをリードにしたい」と思って、「ちょっと考えましょう」ということになったんです。いろいろ考えているうちに「やっぱり『Zip It』みたいに品があるほうがw-inds.らしいかな」と思いはじめたんだけど、ある日、涼平くんが「『Who’s the Liar』いいよね」って言い出して、「俺もそう思ってたんだよ！」って（笑）。「Zip It」でMVの打ち合わせも始まってたんですけど、「すみません！　やっぱり『Who’s the Liar』でお願いします！」って（笑）。そんなエピソードがあるくらい、めっちゃ気に入ってます。

――慶太さんにとっても一つの到達点になった、と。

慶太：そうですね。トラックもそうだし、歌もそうなんだけど、とにかく鳴りがよくて。これができたときはめっちゃ嬉しかったです。

w-inds. - Who's the Liar (MUSIC VIDEO)

――「Look at me」のトラックもかなりアグレッシブですね。

慶太：このトラックもいいですよね！　この曲には「今の自分たちを見てほしい」というメッセージを込めています。

涼平：やっぱりその気持ちがないと、前には進んでいけないですからね。

同じ事務所のメンバーと同じ思いを共有して歌った「Like a fam」も

――そして「Feel the beat」はアルバムのなかでもっともポップな手触りの楽曲。

慶太：ニュージャックスウィング系の爽やかな曲ですね。アルバムのいちばん最後にできた曲なんですけど、こういうw-inds.もほしいかなと。この曲もお気に入りです。というか、自分で言うのもアレなんですけど、全部いい音なんですよ。ぜひ音の良さを感じてほしいです。

――「Like a fam feat.島袋寛子,谷内伸也(Lead),KIMI(DA PUMP)」には、同じ事務所のアーティストが参加。

慶太：事務所の先輩と後輩ですね。このトラックは僕が曲を作り始めて1～2年の頃に作ったものなんですけど、「今、こういうトラックがあってもいいな」と思って、アルバムに入れたくなって。w-inds.とファンの方たちーーw-inds.crewって呼んでるんですけどーーの距離感って、アーティストとファンの関係を超えて、家族みたいなものに近くなっていると思っていて。ずっと自分たちの成長を見守ってくれていて、そのなかで感じていることを歌詞にしたかったんです。同じ事務所で活動してきたメンバーもそうだろうし、同じ思いを共有して歌いたいなと。

涼平：寛子さんと作品でご一緒するのは初めてですね。ちょうど僕らがデビューする前なんですけど、寛子さんの「Treasure」が大好きで。

慶太：いいよね。

涼平：あの曲も葉山拓亮さんの楽曲なんですよ。僕らも葉山さんにいい曲をたくさん書いてもらっていて。

慶太：葉山チルドレンだ（笑）。涼平くん、寛子さんと同い年だよね。

涼平：（アーティストとしては）あちらのほうが先輩ですけどね。時を経て、寛子さんとご一緒できてすごくうれしかったです。

――アルバムの最後は配信シングル「Imagination」。

慶太：『Nostalgia』ツアーを終えたタイミングで作った曲ですね。「ライブがない時期も、この曲を通して一緒にいられるよね」という思いを込めているし、アルバムも最後がいいかなと。頭の中でw-inds.がパフォーマンスしているような感覚になってほしいですね。

涼平：「この曲を聴いて、待っていてほしい」というメッセージも詰まっていて。アルバムの最後にふさわしい曲だと思います。

――さらにPCSC盤には、「Winter Story」「New-age Dreams」の“2025 Ryohei Ver.”と“2025 Keita Ver.”が収録されています。

慶太：この2曲はツアーでも歌ったんですよ。

涼平：僕自身も思い入れがあるし、改めて歌えてよかったです。「New-age Dreams」はツアーを通して歌っていたから、ライブのなかで育ってきた感じがあって。「Winter Story」はファイナルのパシフィコ横浜だけだったから、レコーディングでは新鮮味がありました。自分の歌声を聴いて、「俺、こんなフレッシュな声してたっけ？」って思いました（笑）。

慶太：どちらもいい曲ですよね、本当に。僕は葉山さんのファンだし、改めて「美しい歌詞とメロディだな」と。ミックスは自分でやったんですけど、原曲のデータを見られたのもよかったです。生の音の材料がそのまま置いてあるような状態だったんですけど、「こういう音を使ってたのか」「この音がめっちゃ効いてるな」という新たな発見があって。

――『winderlust』の楽曲をライブで聴けるのも楽しみです。

慶太：僕らもぜひこのアルバムでツアーをやりたいと思っています。とにかく“鳴り”が違うんで。音の鳴りがすべてではないですけど、トラックの変化を感じてもらえたらなと。

涼平：うん。ワクワクしますね。

■リリース情報
16thアルバム『winderlust』
2025年3月26日（水）リリース

初回盤（CD＋MV他収録のBlu-ray）
価格：4,840円（税込）
通常盤（CD only）
価格：2,750円（税込）
購入：https://w-inds.lnk.to/winderlust_CD

PCSC盤 RYOHEI EDITION（CD＋ブックレット）
価格：8,800円（税込）
PCSC盤 KEITA EDITION（CD＋ブックレット）
価格：8,800円（税込）
※受注生産

＜購入特典＞
Amazon：メガジャケ
セブンネット：ミニスマホスタンドキーホルダー
楽天ブックス：A4クリアポスター
タワーレコード：スクールカレンダーカード（4～9月）TypeA
MPインドウ他上記以外の応援ショップ：スクールカレンダーカード（4～9月）TypeB
※特典は数量限定。
※一部お取扱いのない店舗等あり。

＜収録内容＞
※通常盤 / 初回盤 / 配信共通
01. Zip It
02. Run
03. One more time
04. Rookies
05. FAKE IT
06. Who’s the Liar
07. Look at me
08. Feel the beat
09. Like a fam feat. 島袋寛子, 谷内伸也(Lead), KIMI(DA PUMP)
10. Imagination
※PCSC盤 RYOHEI EDITION 限定追加ボーナストラック
11. Winter Story (2025 Ryohei Ver.)
12. New-age Dreams (2025 Ryohei Ver.)
※PCSC盤 KEITA EDITION 限定追加ボーナストラック
11. Winter Story (2025 Keita Ver.)
12. New-age Dreams (2025 Keita Ver.)

＜PCSC盤 / 初回盤付属 Blu-ray Disc＞
01. Run (Live Music Video)
02. Who’s the Liar (Music Video)
03. Document of winderlust

『w-inds. LIVE TOUR 2024 "Nostalgia"』
PCSC限定Blu-ray
価格：9,900円（税込）
PCSC限定DVD
価格：9,900円（税込）

Blu-ray通常盤
価格： 7,700円（税込）
DVD通常盤
価格：7,700円（税込）
購入：https://w-inds.lnk.to/DVD_BD_Nostalgia

＜収録内容＞
01. Feel The Fate
02. Endless Moment
03. Paradox
04. 四季
05. Another Days
06. SUPER LOVER ~I need you tonight~
07. Because of you
08. Baby Maybe
09. Night Flight ~夜間飛行~
10. Dedicated to you
11. This Time ~願い~
12. Deny
13. Dance Bridge
14. try your emotion
15. 変わりゆく空
16. Love is message
17. キレイだ
18. SOMEHOW
19. Long Road
20. Forever Memories
21. New-age Dreams
EN1. Strip
EN2. Beautiful Now
＋Special Interview of LIVE TOUR 2024 “Nostalgia”
※PCSC盤限定追加特典
・「キレイだ」ソロカメラ映像 (Ryohei Ver.)
・「キレイだ」ソロカメラ映像 (Keita Ver.)
・ライブ音源CD「w-inds. LIVE TOUR 2024 “Nostalgia” Live CD」

■ツアー情報
『w-inds. LIVE TOUR 2025 “Rewind to winderlust”』
詳細：https://w-inds.jp/news/detail/321

2025年7月5日（土）埼玉・戸田市文化会館大ホール
2025年7月6日（日）埼玉・戸田市文化会館大ホール
2025年7月16日（水）東京・NHKホール
2025年7月21日（月・祝）千葉・森のホール21 大ホール
2025年8月11日（月・祝）大阪・フェスティバルホール
2025年8月17日（日）東京・J:COMホール八王子
2025年8月22日（金）福岡・福岡国際会議場メインホール
2025年8月23日（土）福岡・福岡国際会議場メインホール
2025年8月31日（日）宮城・トークネットホール仙台
2025年9月20日（土）Nittera日本特殊陶業市民会館フォレストホール

■関連リンク
楽曲配信リンク：https://lnk.to/w-inds
YouTubeチャンネル：https://www.youtube.com/user/windstvofficial
TikTok：https://www.tiktok.com/@w_indsofficial
Instagram：https://www.instagram.com/w_indsofficial/
X（旧Twitter）：https://twitter.com/winds_tv
公式HP：https://w-inds.jp