Mrs. GREEN APPLE、加速度的に拡大するスケール 「ダーリン」は一人ひとりに寄り添う“揺るぎない願いの歌”

 Mrs. GREEN APPLEの新曲「ダーリン」が大きな話題を集めている。

 昨年12月25日に放送された『Mrs. GREEN APPLE 18祭』(NHK総合)のテーマソングとして書き下ろされた「ダーリン」は、日本全国の18歳世代から集められた“本音”と向き合いながら制作された楽曲。一人ひとりの聴き手に寄り添いながら、壮大なスケール感を伴った「ダーリン」には、Mrs. GREEN APPLEの本質が刻まれている。

【18祭】Mrs. GREEN APPLE『ダーリン』| 18Fes | NHK

 「ダーリン」について深堀りする前に、2024年から2025年初頭にかけての彼らの躍進ぶりについて記しておきたい。

 まずは2024年4月から8月にかけて5カ月連続での新曲リリースを展開。“青春”をテーマに掲げたギターロックナンバー「ライラック」(4月リリース/TVアニメ『忘却バッテリー』オープニング・テーマ)、解放感・爽やかさ・力強さを併せ持ったロックチューン「Dear」(5月リリース/映画『ディア・ファミリー』主題歌)、“未知なる出会い”をカラフルに描いた「コロンブス」(6月リリース)、闘争心と集中力/動と静を対比させたパワーソング「アポロドロス」(7月リリース/テレビ朝日系列2024スポーツ応援ソング)、オーガニックなグルーヴの中で大切な人とのつながりを映し出す「familie」(8月リリース/Honda 新型「FREED」CMソング)。映画、アニメ、CMなどのタイアップ楽曲としての機能、さらに幅広い層へと間口を広げたポピュラリティ、そして何より、バンドとしての音楽的な進化を伴った“5カ月連続新曲リリース”によって、Mrs. GREEN APPLEは確実にスケールアップを果たした。

 2024年末には「ビターバカンス」が主題歌に起用された映画『聖☆おにいさん THE MOVIE ~ホーリーメンVS悪魔軍団~』が公開され、その多彩なソングライティングがさらに広まっていくと、『第66回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)では、前年の「ケセラセラ」に続き、「ライラック」で大賞を受賞。『レコ大』2連覇は史上9組目、バンドとしては史上初の快挙となった。さらに『NHK紅白歌合戦』にも2年連続で出演。「青と夏」「ライラック」を組み合わせたスペシャルメドレーを披露した。

Mrs. GREEN APPLE「ライラック」Official Music Video

 また、年明け1月5日放送の『さんま・玉緒のお年玉! あんたの夢をかなえたろか 30周年SP』(TBS系)に出演し、休校が決まった小学校に駆けつけて生徒とともに「ケセラセラ」を歌うと、お茶の間に大きな反響を呼んだ。1月24日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で発表された「最新!今週最も聴かれた曲ベスト50」では、50曲のうちなんと12曲がMrs. GREEN APPLEの楽曲(1位は「ライラック」)で占められ、圧倒的な存在感を見せつけた。

Mrs. GREEN APPLEが休校する小学校へ!『あんたの夢をかなえたろかSP』1/5(日)【TBS】

 また、YouTubeに公開したMVの再生回数が100万回を突破するまでの時間も加速度的に早まっている。例えば「ケセラセラ」は公開から約72時間、「ライラック」は約20時間、「ビターバカンス」は約14時間だったが、「ダーリン」は約9時間で100万回再生を突破。いまや誰もが認めるトップアーティストとなったMrs. GREEN APPLEだが、ここに及んでもその勢いはさらに増している。

 2025年は、Mrs. GREEN APPLEがデビュー10周年=「MGA MAGICAL 10 YEARS」を迎えるアニバーサリーイヤー。その最初の新曲である「ダーリン」からも、今のMrs. GREEN APPLEの充実ぶりがはっきりと伝わってくる。前述した通りこの曲は全国の18歳世代の“本音”に耳を傾け、真摯に向き合い、その中でメンバー自身が感じたことを楽曲に落とし込んだ。だが、その結果として「ダーリン」は10代後半のリスナーのみに限らず、幅広い世代に響く普遍的なメッセージを宿した楽曲へと昇華された。

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