寺西拓人・原嘉孝が持つ優しさと覚悟 『タイプロ』で脚光を浴びる2人の「最後のわがまま」

 寺西拓人と原嘉孝への注目度が日に日に増している。きっかけは、彼らが挑戦しているtimeleszの新メンバー募集オーディション番組『timelesz project -AUDITION-』(Netflixで独占配信中※以下『タイプロ』)だ。STARTO ENTERTAINMENTの俳優部所属である寺西と原は、今江大地とともにepisode07の4次審査から参戦。その後、寺西と原が5次審査へとコマを進めた。

 寺西は菊池風磨と、原は佐藤勝利と同期だと言えば、彼らがどれほどエンターテインメントの世界で経験を積んできたかが伝わるだろうか。ジュニアとして多くのコンサートでバックにつき、先輩たちの舞台を盛り上げてきたのはもちろん、個人でもテレビドラマやミュージカル作品などへの出演実績も豊富だ。なかでも、2人揃って堂本光一が座長を務める『Endless SHOCK』シリーズに参加していたことからも、彼らが実力者であることは知っていた――つもりだった。

 改めて、今回のオーディションという状況で彼らの実力を見ると、timeleszメンバーが言うようにまさに「別格」だった。洗練された所作、振りを覚える速さ、キレのある動き、自分の表現へと昇華させる理解力の高さ。それでいて個人プレーには走らず、常に自分の求められる役割を察して動く協調性の高さも持ち合わせている。

「もっとわがままになってほしい」菊池風磨から寺西拓人への期待

[030]仲間探しオーディション【timelesz project -AUDITION-】episode 09『突破 -Part 3-』12月20日(金) Netflixにて配信 #ネトフリでタイプロ

 寺西は合流してすぐに、ダンストレーナーのNOSUKEから「なんでこの位置?」「このオーディションに懸けてないのかな?」と問われる。チームの中でパフォーマンスの完成度が高いメンバーであるにもかかわらず、チームメイトの意見を優先して、見せ場の多いポジションを譲ってしまったためだ。

 もちろん、このオーディションに強い意志を持って挑んだ寺西は、「支えていくことも、僕は人間として『こういう人です』っていうアピールになるとは思ってたので、懸けてないってことは全くなくて」と自分なりの意見を伝える。しかし、NOSUKEの指摘は観客の視点を意識してのこと。観客には、寺西の言うような「本当はこう思っていた」なんて内情はわからないし、ステージで披露されるものがすべて。だから、寺西が本当にグループのことを思うのであればもっと前に出るべきだった、と。

 しかし、そんな寺西の振る舞いを菊池は「すげえ寺西っぽい」と感じていた。いつも誰かを助け、背中を押してきた寺西を同期の彼は見てきたのだろう。これまでも、無意識的にポジションを譲るようなことがあったのかもしれない。自分以外の人には「本当はこう思っている」なんていう事情まで届かないのだ。このオーディションがなければ、気づかれなかったであろう寺西の本質。

 もっと攻めた寺西を出せるようになるかどうか、わがままになれるかどうかが、彼の新たな道を切り開くキーになる。だから「もっとわがままになってほしい」と伝えた菊池。その言葉を胸に、5次審査では寺西のパーソナルイメージからは遠いと思われていた“かわいいアイドル”に徹するという新たな一面を見せてくれた。

 見事に殻を破ってくれた寺西に、菊池が「すげえ数の照明を浴びて、すげえキラキラした衣装を着てっていう姿が、俺はずっと見たかったんだなって思いました」と感慨深そうに言葉をかけたシーンに胸が熱くなった。

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