A.B.C-Z、再発見&再評価されるアイドルとしての魅力 メジャーデビュー13周年に加速する第2章の歩み

A.B.C-Zにとって2024年は、「試練を伴う成長の年」だった。メンバーの河合郁人が2023年12月21日のグループ主演舞台『ABC座星(スター)劇場2023 ~5 Stars Live Hours~』千秋楽をもって脱退し、4人体制となった新生A.B.C-Z。彼らが第2章を歩み始めた2024年を改めて振り返ってみよう。
2025年の年始にA.B.C-Z公式YouTubeチャンネルにアップされた「〈前編〉2024年を振り返る」でメンバーたちが「1~3月は準備期間だった」と語っていたように、新生A.B.C-Zとして初めてファンの前でパフォーマンスをしたのは、4月の東京ドームで行われたSTARTO ENTERTAINMENT所属アーティストによるライブイベント『WE ARE! Let's get the party STARTO!!』だった。そのライブを橋本良亮は、リアルサウンドのインタビューで「5人から4人になったとはいえ、気持ちは5人のままで。関係者のみなさんに「減った感じがしなかった」と言われて、めちゃくちゃ安心したし、会場のみなさんの反応が温かかった」と語ってくれた(※1)。




本格的に新生A.B.C-Zとしての方向性が見えたのが、6月にリリースされた新体制初のシングル『君じゃなきゃだめなんだ』だ。事務所の伝統も感じさせる昭和平成リバイバル感のあるタイトル曲は、A.B.C-Zのファンはもちろん、古くからの事務所ファンからも大いに支持された。同時に2022年にリリースされたベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』がサブスク解禁されたことも、A.B.C-Zが再評価される追い風となった。
その流れは、8月にリリースした新体制初のアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』へと繋がっていく。高難易度のダンスをシュールにフィーチャーしたMVが「夢に出てきそう」などとファンに評された「Jigsaw」を筆頭に、イントロに橋本の「遊ぼうよ!」というセリフの入る「I-MI-JI」など、こちらも事務所の伝統の一つとも言える“トンチキ路線”がふんだんに盛り込まれた楽曲群は、ファンに大きな安心感を与えることに。事務所内でもトレンドを意識したサウンドへとシフトチェンジしていくグループが多い中、アルバムリリースを通して、A.B.C-Zとしての個性により磨きがかかったように思う。
その後も新体制初のツアー『A.B.C-Z Concert Tour 2024 F.O.R』、そして舞台『ABC座2024大金星(BIG VENUS)~時代(とき)を超えて~』と、直接会える場所で、目に見える形でA.B.C-Zは彼らの進む道を示してくれた。9月にはファンからの人気の高い曲や、改めて表現したい曲をメンバー主導でセレクトして4人体制で再録したデジタルEP『from Z to ABC-Ⅰ-』をリリース。そして11月にリリースしたシングル『ヒリヒリさせて』では、王道サウンドに乗せて、ダンサー/振付師・TAKAHIROが彼らの得意とするアクロバットを用いた振付を取り入れた。「これぞA.B.C-Zの真骨頂!」をアピールする楽曲で2024年を締めくくった。