WEST.が今、大阪松竹座に立つことの意味 7人の“青春”を見守ってきた場所で迎える10周年にふさわしいステージへ

 2024年は、WEST.にとって大きな1年だったはずだ。自身初のベストアルバム『WEST 10th Anniversary AWARD』のリリースや、アリーナツアーに続くドームツアー開催、記念オリジナルライブ『WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-』の劇場公開など、デビュー10周年という節目を祝う注目の発表が目白押しだった。

 そんな大切な1年の締めくくりにぴったりな催しが、12月15日からスタートする。大阪・松竹座劇場で行われる、『WEST. 10th Anniversary』だ。12月12日現在、ポスターやPR動画が公開されているが、その詳細は明かされていない。いずれにせよ、当日足を運ぶ観客は、彼らの原点ともいえるこの場所で体験するすべてを存分に楽しむことだろう。

 ドームツアー『WEST. DOME TOUR AWARD 〜10th Anniversary〜』では計38万人を動員したのに対し、今回の松竹座劇場の最大収容人数は1,000人ほど。小規模なステージではあるが、それでもこの場所に立つことは、彼らにとって特別な意味がある。本稿では、WEST.のメンバーが松竹座劇場で紡いできた歴史をさかのぼっていきたい。

グループ結成前からメンバーを育んだ大切な場所

 WEST.メンバーの松竹座での舞台経験は、グループ結成のずいぶん前から始まっている。例えば、桐山照史、中間淳太、濵田崇裕による『関ジャニ∞ サマースペシャル DOUTONBOYS&スペシャルコンサート』への出演や、長年ファンから愛され続けている『DREAM BOYS』シリーズなど、彼らのアイドル人生の幕開けとともに松竹座との関係はスタートしていた。

 この他にも、1969年の初演以降、50年以上の歴史を誇るミュージカル『少年たち』シリーズも、WEST.と松竹座の関係を語る上では欠かせない。メンバーそれぞれがジュニア内の別ユニットで活動しながらも、ともに歌やダンス、演技の経験を積み上げてきたのがこの演目であり、この場所だ。2010年の『少年たち 格子無き牢獄』には、関西ジュニアのメンバーとして7人全員が出演。最年少の小瀧望は当時14歳と、あどけない表情が覗いていた。入所間もない7人の過渡期に、松竹座は彼らの成長を見守ってきた。

 その後、CDデビューを果たした7人。彼らがCDデビュー後初めて松竹座の舞台に立ったのは、2014年4月のコンサート形式の舞台『なにわともあれ、ほんまにありがとう』。初日は、3日前に1stシングル『ええじゃないか』をリリースしたばかりのタイミングだった。ジュニア時代からともにステージに立つことの多かった7人は、事務所に直談判の末、7人でのデビューを掴み取ったという逸話がある。固い絆で結ばれた彼らが、同じグループとして活動していくことをファンの前で示したこの公演は、きっと彼らにとってかけがえのない思い出として刻まれているに違いない。

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