WEST.、7人揃って迎えた10周年に歩く花道 超満員の東京ドーム公演を振り返る

WEST.、10周年記念東京ドーム公演レポ

 「メンバーが誰ひとり欠けずにやってきたぞー!」

 WEST.の2年ぶりとなるドームコンサートツアー『WEST. DOME TOUR AWARD ~10th Anniversary~』のラストを飾る東京公演が8月29日に東京ドームで幕を開けた。

 今年4月23日にCDデビュー10周年を迎えたWEST.の7人。重岡大毅、桐山照史、中間淳太、神山智洋、藤井流星、濵田崇裕、小瀧望と、結成当時からメンバーがひとりも欠けることなく走り続けて迎えた10周年。本稿ではライブをメインにレポートする。

 公演前に行われた囲み取材では、WEST.の7人が揃いの黒いスーツ姿で登場し、この10年を笑いを盛り込みながら振り返った。10年を振り返って中間は小瀧の成長について言及。「小瀧が高校生やったんですよ。デビューするとき、高校3年。卒業する時と成人迎えた時はめっちゃ覚えてますね。節目節目で。確か桐山とも言ってたんですけど、小瀧が卒業する時に卒業できるかどうかの夢を見たみたいな話をして。それだけ年も離れてたから」と振り返ると、小瀧は「確かに! そんなことあったわ。出席日数とかギリギリで卒業しましたね。デビューした時は、年間の3分の1、4分の1ぐらい舞台やってたので。全員で大変でしたね。夜行バスで帰ったりとかしてました」と語ると、神山が「やってたね~!」と言えば、メンバーも「覚えてる」「やってたな~」と当時を懐かしんだ。 

 開演前から“キュートAWARD”など、来場者をスクリーンに映し出す演出でおもてなし。可愛らしい赤ちゃんの姿にキュンとしたり、「結婚お祝いして」のメッセージうちわには拍手が送られるなど、開演前から笑顔に包まれていた。

 2014年4月23日に『ええじゃないか』でCDデビューを果たした7人。会場に流れる「ええじゃないか」を受けて会場が大合唱。開演前に行われた囲み取材のコメントにもあったように、会場をいくつかのブロックに分けて、席ごとにパートを歌ったり拍手したり。〈ええじゃないか!〉〈「なにすんねん」〉とツッコミを入れるように歌いあげるなど、ファンも歌い慣れた様子で、底知れぬ一体感が生まれていた。

 演出を担当した藤井がこだわったポイントの一つとして語ったのはオープニング。そのオープニングではさっきまでの賑やかさから雰囲気が変わり、メンバーが語るエピソードに耳を傾けるオーディエンス。7人揃って迎えた10周年の重みを感じる。

 メインステージにそびえる大きなセットと真っ白に染まった背景を背に、手を高らかに掲げる7人。煌びやかな黒のスーツを着こなし、貫禄をまとって「証拠」を披露。小瀧が「まじでありがとう」と「超満員のこの東京ドームができて幸せです。すでに泣きそうです」と涙を堪える様子で語った。

 その後も、赤色の絢爛豪華な衣装をまといお祭りムードの7人。「AWARD」を大きく掲げたセット、センターステージへと伸びる花道はレッドカーペットのよう。10周年の喜びと感謝が随所から伝わってきた。会場の後方へはムービングステージで移動し、会場をくまなく回ったほか、ムービングステージがせり上がり、開演早々に会場の上段にも笑顔を届けた。

 「Summer Dreamer」では、重岡、神山、中間と1人ずつポーズをきめたほか、藤井が小瀧の肩を抱いて指ハートで沸かせる一幕も。中間のマント、藤井の腰布をひらりとなびかせ、犬かきのような仕草を見せる神山。重岡を真ん中に、ぐるぐると回るメンバー。ドレッシーな衣装でもはしゃいでみせるのがWEST.流。小瀧はムービングステージの際、すれすれに立ちファンに顔を見せていた。一緒にステージを盛り上げる関西ジュニア・AmBitiousが登場すると一層華やかに。ジャンプしながら元気よく盛り上げた。

 10周年を祝うSHOWは始まったばかり。ここからさらにWEST.らしい派手さと笑いと熱気に満ちたステージの深いところへオーディエンスを誘う。

 今回初めて取り入れたという水の演出を用いた「Beautiful」では、白い衣装の7人が、水面に反射する光で一層輝いて見えた。桐山の笑顔、藤井の投げキッスに沸くオーディエンス。次々にアップで抜かれるメンバーの表情に目が釘付けに。ラスト、藤井のダブルピースには割れんばかりの歓声があがった。

 このところ様々な音楽フェスに出演しているWEST.。それだけに、エネルギッシュな熱い歌唱の印象が強いかもしれない。そんなWEST.のギャップ、そして表現力の幅と魅力を感じたのが「アカツキ」だ。照明で赤く染まったステージで、ワンフレーズずつ歌いつなぐブレのない歌唱がWEST.らしい。さっきまで黄色い歓声を浴びていたのが幻のように、雰囲気を一変させる。元気いっぱいの楽曲の一方で、また一味違ったクールさで魅了した。

 また、今回の目玉の一つがユニットコーナー。中間と藤井は「ONI-CHAN」、重岡と桐山は「乗り越しラブストーリー」。神山と濱田の「GOD DAMN」では片手で体を支えるなど、ふわりと軽やかなダンスを披露した。藤井と小瀧による「Terrible」では赤いスーツの小瀧と白スーツの藤井。サビからは炎がたちのぼり、ミステリアスな雰囲気もまといながら、2人がギュッと身を寄せた。

 重岡、神山から始まった「Lovely Xmas」は、夏の終わりをクリスマスムードに変える大胆な構成だ。大きなプレゼントボックスが登場すると、そこからほかのメンバーが出現。白を基調にしたロングジャケットの煌びやかな衣装の7人。桐山が「みんな雨の中来てくれてありがとうな」と切り出し「10年間で全然伝えられなかったこと伝えていい? チャンスがなくて、これだけずっと伝えたかってん」少しの間をおいて「Sexy Rose!」と堂々たる表情で放つと再び大歓声が。カッコいいやら面白いやら、たくさんの感情を誘いながらファンを楽しませた。

 MCタイムでは、ドーム施設の中で東京ドームが一番大きいことに触れ、改めてその規模感に感慨深げ。絵日記やラジオ体操など夏休みの思い出を、ほんわかとしたムードで語り合ったメンバー。

 続いて、中間が「憂鬱にならないように」と切り出し、「WEST.10周年 AWARD 5大ニュース」と題し、ファンに向けた特大のプレゼントを発表した。POPUPイベントとして、 WEST.10周年記念展『関西七色男大祭り』を11月の東京に続き、大阪でも12月に開催することを発表。藤井は「私物とか飾られるんじゃない?」とコメント。また、初のベストアルバム『AWARD』を携えて全国9都市を回ったアリーナツアーの映像『WEST. 10th Anniversary LIVE TOUR AWARD』のBlu-ray & DVDを10月9日に発売。神山は「ライブ終わったさみしさをね」と言えば、中間も「内容が違う」、桐山は「ビジュアルが違う」と笑いを誘った。

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