『学マス』花海咲季の新曲が話題に Snow Man、NiziUら楽曲手掛けるKENTZのサプライズ起用の効果

 「アイドルマスター」(以下、「アイマス」)シリーズの約6年ぶりの新ブランドとして、今年5月にスマートフォンゲームのサービスがスタートした『学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)。同作に登場するアイドル・花海咲季2曲目のソロ曲「Boom Boom Pow」は、KENTZが手掛けた楽曲ということもあってか、6月20日に楽曲配信が開始されるとたちまち『学マス』のプロデューサー(「アイマス」シリーズのプレイヤーの呼称)以外の音楽ファンも巻き込んで大きな話題となった。

 その要因のひとつとしては、やはりKENTZの起用がサプライズ的なものだったことが挙げられるだろう。そもそも『学マス』が起用する音楽クリエイターは、咲季のソロ1曲目「Fighting My Way」の作編曲を手掛けたのがAdoの「踊」や「唱」の作編曲(ともにTeddyLoidとの共作)などで知られるGigaであることに象徴されるように、「アイマス」シリーズの他ブランドとは一線を画したもの。ゆえに、これまでNiziUやJO1、Snow ManやNumber_iなど数々のダンスボーカルグループの楽曲を手掛けてきた、今最も旬なクリエイターのひとりであるKENTZの起用もまた『学マス』ならではのものではあるのだが、実は彼はアプリのローンチ前、今年3月の第1弾コンポーザー発表には名を連ねていなかった。しかもここ最近の追加曲には、佐藤貴文が作詞曲を手掛けた花海佑芽の「The Rolling Riceball」や瀬尾祥太郎(MONACA)が作編曲を手掛けた藤田ことね2曲目のソロ曲「Yellow Big Bang!」など、ゲームソングやアニソンシーンをメインフィールドとする作家陣による楽曲が多かったため、結果的にそれが“溜め”として効いたビッグサプライズという形になった。

 その見え方はこの曲単体の話題にとどまらず、「今後、予告なくビッグネームが参加してくるかもしれない」という『学マス』自体への期待感を持たせることにも成功したように思う。しかもそれを歌うのが「アイマス」シリーズ各ブランドの顔となるいわゆる“信号機”のセンターアイドルなのだ。否が応でも『学マス』の未来への期待が高まらずにはいられない。

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