AliA「あいことば」は“名前のない感情”を音楽で表現 深みを大切にした曲づくりを明かす

AliA「あいことば」インタビュー

 AYAME(Vo)、EREN(Gt)、TKT(Key)、RINA(Vn)、SEIYA(Ba)からなるロックバンド・AliA。各々の高いプレイヤビリティがいかんなく発揮されたハイブリッドな音楽性で国内外から注目を集めてきた彼らが、最新曲「あいことば」をリリースした。同曲は、10月より放送中のTVアニメ『経験済みなキミと、 経験ゼロなオレが、 お付き合いする話。』のエンディングテーマとして書き下ろしたハートウォーミングなナンバー。ラブソングにとどまらない大切な人に対して芽生える気持ちを歌ったこの曲には、メッセージや演奏、あらゆる面においてAliAとしてのブレない軸が反映されている。

 今回のメンバー全員インタビューでは、「あいことば」の楽曲制作について詳しく話を聞いた。AliAというバンドに対するメンバー一人ひとりの熱い思いが、これまで彼らを応援してきたリスナーはもちろん、新たに彼らの音楽に出会うリスナーにも伝わる機会となれば幸いだ。(編集部)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

大事なものを丁寧に伝えていく姿勢はこれからも変わらない

──今年はAliA結成5周年という節目の年でした。ここまでを振り返ってみて、2023年は皆さんにとってどんな1年でしたか?

AYAME:節目の1年という感覚が、実はあまりなくて。というのも、集大成というよりは何かが始まった年だったなという思いが強いんです。きっと12月31日になっても充実感より、これから先のことを考えてワクワクしているんじゃないかな。今年はいつもよりリリースが多かったりとかいろんなことがありましたけど、それはきっとここからまたさらに新しいものを作っていこうという気持ちが強かったから。なので、今年やってきたことが来年につながっていくんだろうなという1年だったと思います。準備期間とかそういうことではないんだけど、またゼロから積み上げていく気持ちが自分にはあって、その感覚で今も過ごしています。

──新しいことが始まっている予兆を節々で感じているからこそ、区切りの1年という感覚が薄かったと。

AYAME:そうですね。環境的にも目まぐるしく変わりましたし、特に今年は自分たちや周りの人が考えていることだったり舞い込んでくる出会いであったり、AliAを観てくれる人が変わっているなと感じたので、私たちはそれを前向きに受け取っていこうと感じていました。

TKT:今まで不安定だった部分がやっとまとまって、ここから新しく歩いていくんだなってことは僕も感じています。

──今回テレビアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』(以下、『キミゼロ』)のエンディングテーマを手がけたことも新しいチャレンジですよね。アニメのテーマソングを手がけることも新しい挑戦ですし、今までAliAのことを知らなかった人たちにも聴いてもらえる、知ってもらえる良いきっかけになるのではないかなと。それがAYAMEさんがおっしゃるように来年の活動につながっていくんでしょうし。種蒔きともまた違いますよね。

AYAME:違いますね。過ごしているうちにいろんな景色が見えてきて、「これもいいね」「こうするべきだったね、こうしていこうよ」っていうアイデアがどんどん出てきた1年だったと思っていて、そこでできた曲たちが今、「あいことば」を筆頭に生まれ始めているのかなと感じています。

──では、曲作りの面において以前との変化を感じる瞬間はありますか?

EREN:昔から変わらないことが大事だと思っているので、僕自身は特に変化はなくて。今回もタイアップだからといって特別なことは何もなく、目的が変わるだけでやっていること自体は変わっていません。「あいことば」も『キミゼロ』のファンとAliAのファンに向けて書いている曲ですし。今まではメンバー内、チーム内で話して進めていたことが、今回はそこに関わる人が増えたぐらいの感覚なので、軸はあまり変わっていないと思います。

──届け方の手法が曲によって新しくなり、選択肢が増えたということでしょうか。

EREN:そうですね。でも、そこも僕たちが選んでいるわけではなく、基本的にはお声がけいただいた結果なので。例えば、あるマンガのテーマ曲を作りたいと僕が一方的に思っても、それが実現するわけではないじゃないですか。そういう立場としては、変わらず信念を貫いて、大事なものを丁寧に伝えていくべきなのかなと思います。

AliAインタビュー写真(撮影=池村隆司)
AYAME
AliAインタビュー写真(撮影=池村隆司)
EREN
AliAインタビュー写真(撮影=池村隆司)
TKT

──その中で、今回はいろんな縁があり『キミゼロ』とのタイアップが決まった。お話をいただいて、まず『キミゼロ』の原作を読んだと思いますが、そこからどういう印象を受けて、どんな曲を作ろうと考えましたか?

TKT:原作を読んで最初に思ったのは、ピュアだなということ。大人になるにつれて忘れていきがちな思いを、僕らも曲にできたらなと思い制作に臨みました。

RINA:それこそ自分が学生の頃に感じていた気持ちを思い出しながら、ここから2人(龍斗と月愛)がどう距離を縮めていくのかなとか考えました。そういうピュアな気持ちを、自分なりに音に昇華できるようにと時間をたっぷりかけてレコーディングもしましたし、原作者さんの思いも、それを受け取った私の思いも伝わったらいいなと思いながら制作していました。

AYAME:私は女の子の月愛ちゃん側よりも主人公の龍斗側の気持ちが理解できて。特に私は憧れの人がいると、その人と自分を比較してしまうことが多いタイプだったので、そんな憧れの人とまさか自分が付き合える、近くにいられるなんて……と自分に置き換えて、今の自分はどうなのか、自分はどうならないといけないのかと考えるところにすごく共感できたんです。その一方で、実は憧れていた人側もその人なりの悩みがいっぱいあるわけで、そういう人の心の内を楽曲で表現できたらいいなと思ったときに、もしかしたら普段ステージに立っていないときの自分の、素の性格をそのまま歌っていいんじゃないかと気づいて。なので、歌の解釈的には歌詞を読んだときのそのままの感情を歌って、声色的には月愛ちゃんになった気持ちで声を発しようと考えました。

SEIYA:自分たちをテーマに楽曲を作ったりライブをしてきたところから、第三者からテーマをいただいて、そのテーマに対して曲を当てる、歌詞を紡いで物語を築き上げていくことが初めてだったので、物語の中にある出来事とかストーリーとかキャラクターの個性を大切にしつつ、作者さんはどういう思いを伝えたいんだろう、ということを最大限汲み取って、もともと原作が好きだった方、もともと僕らを好きで聴いていた人たちに向けてそれぞれのクリエイターが大事にしている思いが伝わるような楽曲にできたらと思っていました。

TVアニメ『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』ノンクレジットエンディング映像|AliA「あいことば」

──今回のように題材を与えられてそこから楽曲を作っていくことは、普段の楽曲制作とはまた異なるものなんでしょうか?

TKT:実は、今までもわりとそういう作り方をしてきていたんですよ。例えば、好きなアニメを題材にしたり。

EREN:基本的にはメンバー同士で話し合ってから制作に入るんですけど、今回だったら「原作を読んだ僕はこう感じたけど、みんなはどう感じた?」という会話のもと、「じゃあ、こういうメッセージを届けよう」と話してから進めました。AliAとしてこのメンバーで音楽を作るとき、何を伝えたらいいかはすごく大事にしていて、それは初期から変わっていない。それこそメンバーと過ごす中での出来事、素敵だったことを音楽にしようとしたときに「こう思ったから、こういう歌にしたいよね」と考えるのと大きく変わらないと思っていて。極論ですが、僕らはずっといろんな事象とのタイアップ曲を作り続けてきたので。

TKT:そうだね。常に何かしらのタイアップみたいな作り方をしていますね。

SEIYA:そこのスタンスは変えていないですね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる