華、“令和のカリスマギャル”から“令和の歌姫”への第一歩 誰かの人生の一部になれるような曲を目指して

華、“令和の歌姫”への第一歩

 “令和のカリスマギャル”として話題の華が、LDH発のクリエイタープラットフォーム POPCORN RECORDSの第2弾アーティストとして、8月7日(“はな”の日)にシンガーデビューを果たした。ファッションブランド「EGOIST」のブランドディレクター、コスメブランド「H×H」のプロデュースなど、様々なフィールドで活躍している彼女。配信リリースされたデビューシングル「Flower」に対して、人気インフルエンサーを起用した企画ものと見る向きもあるかもしれないが、このインタビューを読んでいただければ、彼女がどれだけ真摯に音楽に向き合っているかが伝わるのではないだろうか。“令和のカリスマギャル”から“令和の歌姫”へ。やっと手にしたシンガーとしての道で第一歩を踏み出した彼女に、音楽に対する想いを聞いた。(永堀アツオ)

「どういう人間像でいれば、評価していただけるんだろうっていう不安があった」

華

——まず、歌手デビューした心境から聞かせてください。

華:少しずつ実感が湧いてきたっていう感じですね。自分でもずっと言ってたんですけど、リリース日の8月7日は“はなの日”で、曲名も「Flower」なので、全部が華づくしなところがかわいいなと思ってて。SNSでは前々から告知を打っていたので、最初はファンの方にどんな反応をされるんだろうなっていう不安や緊張があったんですけど、実際にリリースしたあとの反応はすごく良くて、少しホッとしてます。

——どんな反響がありましたか。

華:「おめでとう」という声もいただきましたし、曲に対しても良い評価をいただいて。嬉しさもありますし、何より頑張ってよかったなっていう部分が一番大きいですね。

——いつか歌いたいっていう気持ちはもともとあったんですか。

華:そうですね。小さい頃から歌が好きだったこともあって、実はもう2年ぐらい前からこのプロジェクトは動き出していたんですよ。

——そうなんですか。

華:はい。自分の中では、一体いつデビューができるのか? っていう不安があって。タレント業やプロデュース業に支障が出るぐらい、ちょっと過酷なことも多くて。技術的な面というよりは、自分の精神をちょっと成長させてくれた機会でしたね。

——過酷だったというのは?

華:歌がうまければいいとか、知名度があればデビューできるわけではなくて。果たして、どういう人間像でいれば、評価していただけるんだろうっていう不安がありました。

——そこはどうやって乗り越えていったんですか。

華:もともと本当に歌うことが好きだし、音楽を聴くことも大好きだったんですね。常に身近に音楽があったんですけど、これまで以上にカラオケに通うようにしたり、家にちゃんとしたスピーカーや鍵盤、マイクを置くようにして。周囲を固めるというか、気持ちからもう絶対にデビューするんだ! って自分に言い聞かせて、乗り越えたっていう部分はありますね。あとは、いろんな曲を聴いたり、自分のパフォーマンスが上がるほど自分に自信がつくようになってきました。

——プロフィールに、趣味はダンス、特技はカラオケで90点以上取ることだと書いてありましたが(※1)、TikTokのカラオケ動画もバズってますよね。

華:カラオケは得意な方で、90点以上っていうのは、ちょっと遊び感覚で言ってるような感じだったんですけど、じわじわとデビューが決まるんじゃないかぐらいのタイミングで、世間の方にもっと私が歌っている姿を知ってもらいたいと思ってTikTokを始めたんですよ。そしたら、1投稿目からミリオン(100万回再生)いって。それが自分にも励みになったというか。もしかしたらデビューできるんじゃないか? っていう期待が生まれて。あのアカウントを始めて、連続で投稿するようになってから、もう少しで1年になるんですよ。TikTokだけを観てる方からすると、バズったからデビューしたんじゃないの? って言われてしまってるんですけど……。

——さらにその1年前から準備してたってことですよね。

華:そうなんです。デビューに向けて世間の方に知ってもらいたいっていう気持ちでTikTokを始めてたので。あれはあれでバズって良かったですけど。

「もっと歌ったり踊ったりすることに時間をかけたい」

華

——(笑)。小さい頃が音楽好きだったということですが、改めて、音楽との出会いから聞かせてください。

華:幼少期過ぎてほぼ記憶がないぐらいの頃なんですけど、親が本気で怒るくらい、常に歌ってたらしいんですよ。

——あはははは。

華:トイレでもお風呂場でも外でも車でもずっと歌ってて。「よく疲れないね」って呆れられるくらい、歌うことが好きでした。ミュージカルもちょっと興味があったので、家で『アニー』のモノマネをしたりとか。でも、芸能のお仕事をさせていただくようになって、モデルやタレントは、ギャルっていうコンセプトを持ってる上でいただけるお仕事が多かったんですね。歌手は私の中で雲の上の存在というか、本当に奇跡的に生まれた人っていうイメージだったんですよ。だから、歌を仕事にするっていう発想がなかったし、小さい頃から音楽は聴くけど、練習をしたりとか、そういうことも一切なくて。でも、この業界に入ってしばらくしてから、歌が好きだったことに気づかされたというか。事務所の社長に「そういえば私、歌うことが好きだったな」って思い出させてもらえて。それで火がついたのが約2年前ですね。

——気づいたのはどんな経緯だったんですか。

華:突然、ボーカルスクールに入れさせられたんですよ。事務所から「今日の現場ここだから」っていうLINEが来て、向かった先がスクールだったんです(笑)。到着しても私は「何のこっちゃ?」だったので、先生に「私、どこに行ったらいいですか?」って聞いたら、「今日からこのクラスだから」って言われて、普通の高校生とか学生さんたちの中にポンッて入って。その日に初めて、生徒としてスクールに通う体験を知りました。

——2年前にはもう“令和のカリスマギャル”って言われてますよね。

華:言われてましたけど(笑)、本当に若い子たちしかいなかったし、初心者クラスに入ったので、別に騒がれることは一切なくて。でも人前で歌って、先生に指導されるっていうことが人生初だったので、震えちゃって。得意だったはずの歌が全然うまく歌えなかったんですよ。それが1年ぐらい続いて。そこで、音楽の楽しさにもう一回気づけたのと同時に、ここからどうなるんだろうっていう不安も芽生えたっていう。

——不安というのは?

華:好きなことに気づいちゃったからこそ、現実とのギャップが生まれて。ギャルタレントにならなくちゃいけないとか、テレビで面白いことを言わなくちゃいけないとか、プロデュース商品をたくさん売って結果を出さないとっていう気持ちが強かったんです。でも、本当は歌が歌いたいし、もっと歌ったり踊ったりすることに時間をかけたいという感情でしたね、そのときは。

——世間から“令和のカリスマギャル”として求められてることはどう感じてました?

華:自分がカリスマだなんて本当に思っていなくて、ただ自分のできることを仕事にしていただけなんですよ。何かをプロデュースしたり、SNSでの見せ方がうまかったっていう意味で、そう言ってもらえることが増えたんですけど。好きなことっていうよりは、“できること”だったので、「ドヤ、すごいだろう」っていう気持ちはなく、むしろ“令和のカリスマギャル”っていうキャッチコピー、なんか恥ずかしいなって思ってました。テレビに出るときも台本に書いてあるし。

——好きだという音楽では、どんな曲を聴いて、どんなシンガーに憧れてきましたか。

華:憧れというのはあまりなかったですね。自分が歌いやすい曲とか、本当にオールジャンルを聴いてました。洋楽も邦楽も、K-POPもめちゃくちゃ好きだし、インストやダンスミュージックも好きです。もともとダンスをやっていたんですけど、ロックダンスが好きで得意なので、ジャズファンクが聴き心地いいなと思ってよく聴いてました。

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