CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN、「都内の路上にて曲を作る」動画が話題に バンド結成から無二の音楽性まですべてを語る
曲を作る原動力は「笑わせたい」という気持ち
——「CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN」というバンド名は、リズムパターンの名前ということですが。
Daido:そうですね、キューバ民謡のベーシックなリズムパターンがいくつかあるうちのひとつです。僕が最初に教わったリズムパターンなんです。バンド名にしたことに深い意味はないんですけど。
——今話してくださったDaidoさんの感性は、今のCHO CO PAの音楽性にも反映されていると思うのですが、CHO CO PAとして音楽を作っていくうえでのコンセプトなどはあるのでしょうか?
Daido:土臭い感じのパーカッションは、意識的に入れようとはしていますね。それと同時に、彼(Yuta)は中高生の頃から電子音楽が好きなんです。なので、土着的な音楽の一部を電子音楽にして、他の部分はそのまま残すようなバランスが面白いよね、という話になって。それが、僕らのほとんどの曲のコンセプトになっていると思います。コンセプトと言っても、そこまで明確に定めたものというわけではないんですけど。ちょっと土臭さはあるけれど電子音楽で浄化されている、というか。そういうものを面白がりながら、なんとなく進んできた感じですね。
——Yutaさんが好きな電子音楽というと、どういったものになりますか?
Yuta:僕の母親がそういうものにどっぷりと浸かっていた世代なんですけど、たとえば、Daft Punk、エイフェックス・ツイン、Underworldとか、2000年代頃のテクノ/ハウスという感じですね。それが僕も好きで。その感じがそのままCHO CO PAに出ているわけではないと思いますけど。
Daido:あと、ドリアン・コンセプトは参考にしていますね。
Yuta:そうだね。ドリアン・コンセプトも民族音楽との融合を取り入れているし、あの感じを参考にはしていますね。
——CHO CO PAというバンドは、コロナ禍があったがゆえに始まったということですけど、もしそうでなかった場合、Daidoさんは先の展望などはあったんですか?
Daido:いや、何も考えていなかったです。ただ、海外に出たいという気持ちはありましたね。音楽をやるとは思っていなかったです。
——Yutaさんは、CHO CO PAが始まる前はどのような感じで過ごされていたんですか?
Yuta:僕は早稲田大学の中南米研究会というところに入って、彼(Daido)とは関係なく、中南米音楽をやっていたんです。僕も、先のことは何も考えていなかったです。
——どういったきっかけで中南米音楽に興味を持ったんですか?
Yuta:「中南米研究会」という名前が面白そうだなと思って、サークルに入ってみようと思ったんです。高校の時の先輩が入っていたのも、きっかけとしてあって、なりゆきでした。
——Soさんは、CHO CO PA以前はどのように過ごされていたんですか?
So:僕は美術系の大学に入っていて。一応、高校の頃に同じ軽音部にいたメンバーでバンドはやっていたんです。それでライブハウスに出たりもしていたんですけど、コロナ禍に入って、活動が厳しくなって、休止状態になって。それと入れ替わるように、このバンドが始まったんです。
——前はどんなバンドをやられていたんですか?
So:メタル系です。
——今日も、ファッションの雰囲気がひとりだけ違うなと思いました。
So:そうですね(笑)。
Daido:(メタルが)出すぎでしょ(笑)。
——小学生からの友達同士が再び集まって夜な夜な遊び始めた、それがCHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINである、と。夜中にみんなで集まって遊んでいる空気感や濃度みたいなものは、CHO CO PAの音楽や映像にすごく反映されている感じがしますね。
Daido:めちゃくちゃ楽しかったんですよね、本当に非日常だったから。あの楽しかった感じを、ずっと続けようとしているのかもしれないです。
So:中学を卒業してからはそんなに会えていなかったんですけど、久々に会うようになって、すごく楽しくて。特に僕は、こういう自由な活動のバンドを組んだことがなかったから。カッチリと予定をこなしていく感じのバンドをずっとやっていたので。
Yuta:今は、子供の頃に“アバターごっこ”をやっていたのと同じような感覚なんですよね(笑)。撮影をしている時も、絶対に誰かがミスったり、ボケたり、面白イベントが発生するんです。それも遊びみたいな感じで、すごく楽しいです。
——TikTokなどでも上げられていた「都内の路上にて曲を作る」の動画は、どのようにして生まれたアイデアだったんですか?
Daido:僕らは最初から車で曲を録っていたりしていたので、あれはメイキングという感じですね。それを短くしてテンポよくしたら面白いかなって。なんというか、観ている人/聴いている人をウケさせたいという気持ちが強いんですよ(笑)。
——なるほど(笑)。
Daido:僕は小学校の頃から「いかに人を笑わせるか?」ということばかり考えていたので、ずっとふざけていたい人間なんです。3人で集まって曲を作る時も、僕がひとりで家で作る時も、いかに他のふたりを笑わせるかばかりを考えて、そういう音を入れて。全然曲作りが進まないです(笑)。
Yuta:それをやり始めたら、その日はもう終わりだよね(笑)。
Daido:「笑わせたい」という気持ちが常にあります。それは、めちゃくちゃ大事なことですね。この3人に共通する気持ちだと思います。
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——お話を聞いていると強く思いますけど、小学生の頃の友達と久しぶりに会って、そこでこれだけ一緒に遊べるというのは、ものすごく幸福な関係性ですよね。
Yuta:みんな、人がいいので(笑)。
Daido:3人とも穏やかなので、喧嘩はないです。音楽も趣味も3人とも全然違うんですけど、そのぶん、本当に“幼馴染で仲がいい”というところだけで繋がっている3人ですね。普通だったら一緒に活動しないメンバーだなと思います。
——曲を聴いたり、映像を観たりしていると、恐らく、この3人の他にも一緒に創作をする交友関係は広くありそうですよね。
Daido:そうですね、曲を作っているのはこの3人だけですけど、他にもメンバーと呼んで差支えのない人たちが何人かいます。
——具体的に、曲作りはどのようにされるんですか?
Daido:僕がほとんど家で打ち込むんで、そのあとにみんなで集まって、パーカッションとか大きな音が出るものをみんなで録音します。僕はベースが弾けないので、彼(Yuta)にベースを弾いてもらったり、環境音を録ったり、事前に打ち込んだものを置き換えていく作業をして。そこで録った音を、彼(So)がミックスしながら当てはめていくという感じですね。
——曲のアイデアはどのように湧き上がるものですか?
Daido:「こういうのを作りたいよね」と3人で話すこともあれば、僕が勝手に作ってきちゃうこともありますね。
Yuta:ドライブしている時にかける音楽がインスピレーションになることもあるよね。
Daido:そうだね。彼(So)が車内DJなんですけど(笑)、そこでなんとなく引っ掛かった音楽を参考にしたり。最近はあまりドライブはできていないんですけど。活動を始めた当時は、ルイス・コールとか、Clown Coreとか、アメリカの少しふざけたテンションの音楽を聴いたり(笑)。そういうものを聴いて、みんなでウケてました。車の中で音楽を聴くのがいちばん楽しいです。